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ネット情報垂れ流し、TVニュースに問われる存在意義


ニュース 社会 作成日:2011年8月15日_記事番号:T00031871

ネット情報垂れ流し、TVニュースに問われる存在意義

 「テレビはPTT(批踢踢)、ユーチューブ、フェイスブックの3局だけ」──これは、インターネット上に流布する、台湾のテレビ局を皮肉ったジョークだ。

 ご存じの通り、この3つはテレビ局ではなく、電子掲示板、投稿型動画サイト、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で、いずれも人気の高いインターネットサイト。

 台湾のテレビ局は近年、これらのネット媒体から拾ったニュースを、検証もせずに次から次へと引用報道する傾向が著しい。上記のジョークは、最大のニュースソースがネットだけと皮肉っているわけだ。

 ネットをニュースソースとすること自体は、多様化という側面もあり一概に悪いこととは言えない。しかし、現在のようにニュースの背景を検証したり、独自に分析することもせず、無節操に垂れ流すだけでは「テレビは存在意義を失った」との声が出るのも仕方がない。

 そんな中、国家通訊伝播委員会(NCC)はこのほど、ライセンス更新を申請したニュース専門チャンネル5社に対し、ネットからを引用する際の規範を3カ月以内に制定するよう要求した。NCCによると「出典の明記」と「事実検証」を盛り込むことが原則だ。

 とはいえ、ケーブルテレビの同業組合は昨年、ネットからの引用に関する6項目の規範を制定済み。NCCの要求する最低限の2項目以外に、家族そろって視聴できる内容かどうかや、当事者のプライバシーや名誉に配慮する内容が盛り込まれている。

 その規範がしっかり守られていないからこそ、改善が求められているのだろう。東森新聞台や年代新聞台は、ネットソースの使用比率を引き下げる考えを示しているが、ネットからニュースを引用するのは世界的な流れでもある。今後に注目したい。