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TPKがQ3目標を上方修正、供給網に光明


ニュース 電子 作成日:2011年8月23日_記事番号:T00032080

TPKがQ3目標を上方修正、供給網に光明

 米アップルにタッチパネルを供給する宸鴻集団(TPKホールディング)の江朝瑞董事長は22日、第3四半期の売上高目標を上方修正すると表明。「既存顧客からの受注は減少しておらず、新規顧客からの受注も増えている」としており、四半期ベースの過去最高を更新する可能性もあると強調した。欧米経済の先行き不安から、パソコンのみならずスマートフォン産業の下半期業績にも懸念が広がっているが、TPKの強気見通しは、関連サプライチェーンの自信を回復させる材料となりそうだ。23日付経済日報などが報じた。

 TPKは今月10日に開催した業績説明会で、第3四半期業績について、受注見通しに比較的慎重な見方を示し、売上高は同3〜5%減、粗利率は同1〜2ポイント低下の17〜18%と予測していた。

 しかし、その後13日から14日にかけて新規顧客からの受注が決まり、既存顧客からの受注削減もないため、第3四半期の売上見通しが好転した。売上高は7月に単月過去最高を記録、8月は減少するものの、9月は再び上向く見通しで、第3四半期は四半期ベースの過去最高を記録した前期から横ばい、または上回る可能性もあるという。ただ、粗利益率は前回予測を維持した。

 TPKはアップルからのタッチパネル受注の一部をライバルメーカーの低価格戦略により奪われたとの観測が出ているが、良品率の低さから出荷規模が上がらず、再度TPKに受注が戻っているとされる。江董事長は「受注のために値下げすることは絶対にない、良品率を上げてコストの抑制を図る」と強調した。同社の良品率は90%以上に達するという。

アップル偏重から脱却目指す

 また同社は、華碩電脳(ASUS)の人気タブレット型PC「Eee Pad Transformer(トランスフォーマー)」の2代目機種やリサーチ・イン・モーション(RIM)製品向けに新たな受注も獲得しているとされるほか、アマゾン・ドット・コムが間もなく発売するとみられるタブレットPCでも現在受注獲得を目指している。

 TPKは現在、受注の6割をアップルが占め、残りの4割が宏達国際電子(HTC)、モトローラなど約30社向けとなっており、江董事長は「有名ブランドのほとんどがわが社の顧客」と豪語する。今後は顧客数を50社に拡大し、アップル1社への依存度を下げたい考えだ。

大型タッチパネルにも注力

 なおTPKは、今後ノートPCやオールインワン(モニター一体型)PCへのタッチパネル応用が普及していくとの見方から、21〜24インチの大型タッチパネルの研究開発(R&D)に注力しており、今期に入り新製品を既に出荷しているという。

 今年同社のサイズ別出荷構成比は、小型が7割、中型が3割となっているが、2013年にはこれを小型6割、中型3割、大型1割としたい考えだ。 

【図】