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TSMCのQ4見通し好転、電子業界に朗報


ニュース 電子 作成日:2011年8月24日_記事番号:T00032111

TSMCのQ4見通し好転、電子業界に朗報

 24日付工商時報によると、ファウンドリー世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は先週以降、通信機器・携帯電話用チップの顧客やIDM(垂直統合型の半導体メーカー)から受注が相次いでいる。これにより、9月に設備稼働率が回復するめどが立ち、第4四半期の見通しが好転した。欧米の債務危機を受けて世界経済の先行きが不安視される中、電子業界にとって明るい材料と言える。

 TSMCは先週開催した社内の生産会議で、8月上旬時点で受注見通しは依然良くなかったが、先週から今週にかけて顧客からの受注が相次いで決まったことを確認した。これにより、期待が外れる恐れもあった9月の設備稼働率回復に見通しが立った。

 12インチウエハー工場は、通信機器や携帯電話用チップ受注の回復によって設備稼働率が上昇する見通しだ。8インチウエハー工場は、テキサス・インスツルメンツ(TI)が発注量を拡大したこと、フリースケール・セミコンダクタが仙台や仏トゥールーズの6インチ工場を閉鎖してTSMCの8インチ工場への生産委託に切り替えたことなどが貢献する。

 ある設備業者は、TSMCの設備稼働率は8月に底を打ち、9月に回復、第4四半期は第3四半期よりも良くなると楽観している。

在庫調整、Q3完了へ

 張忠謀TSMC董事長も先日の業績説明会で、世界経済の不調を受けてファウンドリーは在庫調整が必要になるが、在庫水準は高くないため第3四半期中に完了し、第4四半期の設備稼働率は前期比で上昇、粗利益率も改善すると見通しを示していた。

 TSMCは第3四半期生産能力342万3,000枚(8インチウエハー換算)に対し、出荷量は291万~301万枚となる見通しで、設備稼働率は85~88%(前期99%)と予測されている。売上高は前期比7.7~5.9%減の1,020億~1,040億台湾元(約2,700億~2,750億円)の見込みだ。

【図】