ニュース 社会 作成日:2011年8月26日_記事番号:T00032144
少子化の進む台湾では、多くの私立幼稚園がバイリンガル教育を看板にしている。当然、英語教師の需要も多い。7月、新北市のある私立幼稚園が英語教師を募集していることを知った米国生まれ・米国育ちの華僑、張さんは、さっそく電話をかけて応募した。園側は張さんの流ちょうな英語を聞いて、すぐに来てほしいと面接を快諾。ところが、張さんが華僑であることを告げると態度を一変させた。「園児の保護者が求めているのは白人の英語教師」という理由で、張さんは面接を拒否された。
張さんは英語が母国語で、台湾での英語教員免許も持っている。数年前に米国から台湾に渡った張さんは、これまでも英語教師に応募するたび、こうした人種差別を経験していた。だからこそ、自ら進んで華僑の身分を明かしたのだが、今回も人種の壁は厚かった。
門前払いを食った張さんは、再び幼稚園に電話をかけ、その会話内容を証拠として録音し、新北市就業岐視評議委員会に訴えた。幼稚園側は、職員がつたない英語で「幼稚園は法令に基づいて外国人教師を雇用することはできない。申し訳ない」と告げたことが、相手に誤解を招いたようだと弁解した。
しかし、同委員会は「もし外国人を雇用できないのなら、相手が中華民国の国籍か台湾での労働許可を持っているかどうかを尋ねるべき」との意見を示し、25日幼稚園に対し就業服務法違反で30万台湾元の罰金処分を下した。「人種」による就職差別で処罰を受けた同市初のケースとなった。
業界関係者によると、業界では黄色人種の教師は「外語教師」(外国語教師)と呼ばれ、白人や黒人教師は「外師」(外国籍教師)と呼ばれる。一般に幼稚園の生徒募集の売りは「外師」であり、「外語教師」ではない。「外師」の活躍の場は幼稚園や小学校だが、「外語教師」が働くのは、英検やTOEIC、TOEFLなどの英語の資格試験のための塾だ。英文法を教えられるのは「外師」ではなく「外語教師」という名目で、人種によるすみ分けがはっきりしているのが実情だという。
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