ニュース 医薬 作成日:2011年8月30日_記事番号:T00032217
台湾大学医学院附設医院(台大医院)の医療ミスでHIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染した臓器を移植された患者5人のうち、成功大学医学院附設医院(成大医院)で心臓移植を受けた女性患者(30代)の体内から29日、HIV抗体が検出された。30日付蘋果日報によると、これはHIV感染の可能性が極めて高いことを意味するという。この女性は術後に結婚を予定していたが、婚約者や家族はまだ本人に事実を伝えられていない。
張上淳・台大医院副院長(右)は29日立法院で、今回の医療ミスについて説明し、患者と社会に謝罪した(29日=中央社)
一方、これまで唯一、家族から医療ミスを告げられた腎臓移植患者は、事実を受け止めきれず取り乱しているという。
また成大医院で今回の移植手術にかかわった執刀医は手術の際に下着まで臓器提供者(ドナー)の血が付着し、感染が懸念されたが、血液検査の結果、同大の医療チーム26人のHIV陰性が確認された。ただ3~6カ月間は感染していても陰性反応が出るウインドウ期(空白期間)のため、追跡調査を続ける。
今後、今回のような医療ミスや医療従事者への感染を防ぐため、全民健康保険カードにHIV感染有無を登録すべきとの意見も出ている。
衛生署、医療事故防止に制度確立
行政院衛生署は29日、台大医院の電話での情報伝達ミスを受け、電話では復唱を徹底し、同時にファクスまたはスキャンで検査結果を臓器移植チームに送るよう要求した。実行せずに死亡・けがを招いた場合、医療法に基づき5万台湾元(約13万円)以上50万元以下の罰金が科される。
また衛生署は同日、事後対応に当たる▽調査小組(小委員会)▽被害者ケア小組▽医療コンサルティング小組──を立ち上げた。台大医院への処分は2週間以内に決まる見通しで、臓器移植手術の停止となれば、同医院で登録・待機している患者1,800人の転院を支援する。
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