ニュース 政治 作成日:2011年8月30日_記事番号:T00032231
30日日本の第95代首相就任の指名を受けた野田佳彦・民主党代表について台湾メディアは、短命内閣が続いていることから、「果たして1年以上持つのか未知数(自由時報)」など、政権が安定して続くことに懐疑的な見方が多い。また、保守右派の思想傾向も注目を受けており、靖国神社参拝が中国との火種になるとの観測も出ている。
野田佳彦次期首相。日本の「政治危機」を収束させることは困難との見方が少なくない(中央社)
30日付工商時報は、財政再建と震災復興など新政権の政策課題を挙げつつ、それに取り組むための前提条件として、「最大の課題は『短命首相』のジンクスを打破できるかだ」と論じた。その上で、与野党のねじれ現象の解消策として大連立を主張してきたものの、野党の反応は冷淡なため、就任後に政策を着実に遂行できるかは疑問だとした。
中国時報は「絶対に短命政権に終わる」と断言。その理由として、財政再建のために増税を主張しているものの、鳩山由紀夫、菅直人の民主党の前代2人の首相にもできなかったことを成し得るとは考えられず、増税は有権者の反感を買うため、実行してもしなくても政権を失う可能性が高いとした。さらに、民主党内は「小沢派」と「反小沢派」で割れており、野田氏が団結を図ることは困難と指摘した。
「5年で6人の首相を生んだ日本は世界の笑いものになっている」とした聯合報は、「野田氏は実際の民意の支持がかなり弱い。施策や言動に少しでも落ち度があれば支持率が大幅に下落し、党内のライバル派閥は引きずり下ろそうと企図するだろう」と論じた。
円高阻止を予測
経済政策に関しては、工商時報が「過度の円高阻止に動く」と予測した。財務相時代の2010年6月以来、日本政府として6年ぶりに円高阻止に動いた実績から、首相就任後も金融緩和政策を継続するとともに、取り得るさまざまな手段によって円高是正に取り組むとみている。
「日台安保研究会」に所属
野田氏の「親台的」な姿勢を指摘したのは、独立派寄りの自由時報だ。同紙によると野田氏は民主党の「日台議員友好連盟」「日台安保経済研究会」のメンバーだ。「日台安保経済研究会」は陳水扁政権時代に発足し、台湾政府関係者との間で懇談会など何度も「非公式」の接触を持ったという。
野田氏は2008年3月の前回総統選の際も訪台し、当選した馬英九氏が反日的な傾向を示さないか強い懸念を示したとされる。
日米安保を強く支持する立場、また首相の靖国神社参拝について「なった人が判断すればよい」と語った過去の発言から、中国は野田氏に警戒感を示しており、国営新華社通信は29日「どの政治家も靖国神社を訪問すべきでない」「中国の核心的利益を尊重すべきだ」と主張した。なお、台湾の中国時報は「靖国神社が野田氏にとって頭の痛い問題となる恐れがある」と指摘した。
新内閣の閣僚については聯合報が、野田グループの「花斉会」に属し、父親が台湾人の蓮舫参議院議員が要職を占めるか注目されると論じた。
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