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HIV感染臓器を移植、台大・成大医院に罰金15万元


ニュース 医薬 作成日:2011年8月31日_記事番号:T00032251

HIV感染臓器を移植、台大・成大医院に罰金15万元

 行政院衛生署は31日、台湾大学医学院附設医院(台大医院)と成功大学医学院附設医院(成大医院)がHIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染した臓器を患者5人に移植した問題で、両医院の移植チームが規定通りの確認手順を怠ったことに対し、それぞれ罰金15万台湾元(約40万円)を科すと発表した。今後の調査で、さらに処罰が追加される可能性もある。31日付蘋果日報などが報じた。


急きょ米国から戻った邱文達・行政院衛生署長は、「残念で胸が痛む」と繰り返し、原因究明および患者への支援を進めると表明した(30日=中央社)

 石崇良・衛生署医療事務処長は、口頭での伝達のみに頼らず、データを直接確認すべきだったと指摘した。台大医院は24日に臓器提供者(ドナー)から臓器を摘出し、HIV陽性だったが、院内移植コーディネーターが台大医院、成大医院の移植チームに伝達した際に陰性と伝わり、移植を受けた患者5人、医療スタッフ47人にHIV感染の懸念が出ている。

 衛生署の調査小組(小委員会)は今回、HIV陽性の臓器移植を禁じる条例違反で定められた上限の罰金を科した。今後、患者のHIV感染が明らかになれば、関係者に3年以上10年以下の懲役が科される。

 また医療法により、医療業務管理の過失で患者の傷害・疾病・死亡を招いた場合、病院に5万元以上50万元以下の罰金が科され、1カ月以上1年以下の臓器移植業務の停止処分となる。ただ、台大医院には臓器移植ができる医師が30人近くおり、台湾全体の7分の1を占めるため、業務停止処分となれば患者の権益を損なうことになると指摘されている。