ニュース 電子 作成日:2011年9月5日_記事番号:T00032350
宏碁(エイサー)は2日、ベルリンで開催中の国際コンシューマー・エレクトロニクス展(IFA)で、インテルが提唱する薄型軽量ノートパソコンカテゴリー「ウルトラブック」に属する同社初の製品「Aspire S3」を発表した。価格は799〜1,199ユーロ(約8万7,000〜13万円)で、9月中に世界各地で相次いで発売する予定だ。薄さと軽さのほか、起動およびインターネット接続までの速さを強みにうたっており「消費者に新たなモバイル体験をもたらす」と強調、第4四半期から同社の主力になると期待している。
エイサーのウルトラブック「Aspire S3」。受託生産は緯創資通(ウィストロン)が手がけるとみられる(エイサー提供)
ノートにタブレットの長所注入
エイサーはウルトラブックについて、従来のノートPCに、スマートフォンやタブレット型PCの携帯性、起動時間の短さといったメリットを結合した製品と説明。スマートフォンやタブレットPCは「閲覧型」のデバイスで、ビジネス上の使用ではノートPCの運算・保存能力にはかなわないとし、ウルトラブックは必ず成長すると強調した。
同社発表によると、「Aspire S3」は発光ダイオード(LED)バックライト方式の13.3インチディスプレイ、アルミ合金製の筐体を採用。重さ1.4キログラム以下、厚さは最も薄い部分で1.3センチメートルだ。スリープ状態からの復帰は1.5秒、ネットワークに接続するまでの時間は2.5秒をうたう。中央処理装置(CPU)はインテルの「Core」シリーズ「i3」、「i5」、「i7」搭載機種を用意、ストレージは240ギガバイト(GB)のSSD(ソリッドステートドライブ)または320/500GBのハードディスクドライブ(HDD)を選択できる。
バッテリー駆動時間は1日の利用に十分な約7時間。さらにエイサー独自の省電力技術により、スリープ状態の50日間継続が可能だ。
「購買意欲刺激は難しい」
「Aspire S3」の販売価格は、ライバルと目される米アップルの「Macbook Air(マックブック・エア)」を1割程度下回る。しかし、米ドルでは約1,139〜1,709米ドルと、同製品の成功の鍵とされる1,000米ドルを上回った。
同じくIFAで発表された、東芝のウルトラブック「PORTEGE Z830」は「1,000米ドル以下から」となる予定だが、レノボの「IdeaPad U300s」は1,195米ドルとやはり1,000米ドルを超えており、3日付工商時報によると、現在各ブランドが計画している販売価格は現在のノートPC主流機種を50〜100%上回っているという。同紙は、「薄型軽量」ノートの需要は確かにあるが、欧米の景気が先行き不透明の中、「低価格」の強みがなければ購買意欲を刺激するのは難しいと指摘している。
ただ3日付経済日報は、エイサーの翁建仁総経理が、第4四半期に11.6インチの製品を799米ドルで発売すると発言したと伝えている。
一方で同紙も、各ブランドは年内は市場の反応を測る状況が続くため、大規模な出荷が始まり、メーカーの業績に貢献するのは来年になると指摘。その上で、ウルトラブックは高機能で低価格を追求しているため、メーカーの利益を圧迫するとみられ、同カテゴリーが「蜜」となるか「毒薬」となるかは今後の観察が必要だと分析した。
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