ニュース 電子 作成日:2011年9月6日_記事番号:T00032381
米景気後退懸念や欧州信用不安再燃で、電子業界のハイシーズン効果がはっきりしない中でも、アップルサプライチェーン各社は減速知らずの好調だ。デジタルカメラ用レンズの大立光電(ラーガン・プレシジョン)など8月も売上高の過去最高更新が相次ぎ、年末から来年第1四半期にかけての需要期まで確実に恩恵が期待できそうだ。6日付工商時報などが報じた。
ラーガンが5日発表した8月連結売上高は前月比6%増、前年同月比25%増の14億6,700万台湾元(約39億円)で、5カ月連続の過去最高更新だ。これまでは前月比1~2%増収だったが、9月に出荷開始が観測されているアップルのスマートフォン次世代機種「iPhone5」の受注が大幅成長に導いた。
アップルからの受注割合が最も高いとされるタッチパネルの宸鴻光電科技(TPKタッチ・ソリューションズ)が同日発表した8月連結売上高は110億9,900万元で、過去最高だった7月より6.6%減少したものの、前年同月比では101%成長を達成した。アップルのタブレット型パソコン次世代機種「iPad 3」が近く量産に入り、今年末か来年初めに出荷を開始するとみられていることから、TPKは9月も増収となり、第3四半期は前期と同水準以上、第4四半期は前期比で成長する見通しだ。
過去最高の8月売上高を同日発表したアップル関連メーカーはほかに、▽筐体(きょうたい)の可成科技(キャッチャー・テクノロジー)、36億4,700万元(前月比9.8%増、前年同月比92.0%増)▽バッテリーの順達科技(ダイナパック)、22億6,400万元(前月比14.0%増、前年同月比40.9%増)▽タッチパネルの勝華科技(ウィンテック)、90億1,200万元(前月比5.27%増、前年同月比46.07%増)──など。
このほか、アップルがiMac、MacBook AirなどPC製品全シリーズに導入しているハロゲンフリー配線で世界大手2社のうちの1社、良維(ロングウェール)も下半期の急成長が見込まれている。
活路求めても「しょせん二番手」
一方アップル以外は、ヒューレット・パッカード(HP)がタブレットPC「Touch Pad」事業打ち切りを発表したのに続き、サムスン電子のタブレットPC「Galaxy Tab」の昨年販売台数が実は2万台にすぎず、同社がうたう100万台には全く届いていないばかりか、在庫が販売店に溢れ、宏碁(エイサー)や華碩電脳(ASUS)のタブレットPC販売に悪影響を与えるという観測も出ている。
インテルが提唱する薄型軽量ノートPCカテゴリー「ウルトラブック」にしても、各社が競って発売したところで、タブレットPC同様、結局はアップル製品に次ぐ二番手以下にしかなれないと証券会社は厳しい見方を示した。
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