ニュース 社会 作成日:2011年9月7日_記事番号:T00032384
台湾では「石を投げれば『博士(ドクター)』に当たる」といっても過言ではない。行政院国家科学委員会(国科会)の統計によると、2009年度の博士課程(ドクターコース)修了者は3,705人。これは1995年度(1,053人)の3.5倍で、ここ15年ほどで博士学位を持つ高学歴者が急増していることが分かる。
博士号取得者のうち最も多いのが、バイオテクノロジーなどの生命科学分野で、毎年700〜800人を輩出。ところが産業界ではこれほど多くの人材需要はなく、彼らは研究職か教職へ進むしかない。電機やエレクトロニクス分野でも状況は同様だ。
そこで、彼らが目指すのは、博士研究員(通称ポスドク)。とりあえずは大学や研究機関でポスドクを経験して、就職先を探そうというわけだ。10年度は海外での博士号取得者を含む3,116人が、国科会にポスドクを申請し、最終的に2,462人が認定されている。
国科会は本来、上位5%の研究計画に補助を出していたが、08〜09年の世界的な金融危機で高学歴者の失業が急増したため、対象枠を上位10%に拡大。これにより対象者は07年の965人から、一挙に2,370人へと増え、2011年は2,501人にまで達した。国科会によると、来年の年間補助経費は16億5,000万台湾元に倍増する見通しだという。
ポスドクの中には、研究に興味があり学術分野を目指す人も多いが、教職に就けず自分で会社を設立したケースも。普通は1〜2年のところ、中には10年もポスドクを続けている「高齢ポスドク」などの問題もあるという。
やたら多くの博士を誕生させても、社会の受け皿が不足し人材を生かせる場がないのであれば、リソースの浪費だ。学歴難民が社会のお荷物とならないよう、早急な対策が求められている。
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