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半導体景気、「好転は来年Q1以降」


ニュース 電子 作成日:2011年9月7日_記事番号:T00032412

半導体景気、「好転は来年Q1以降」

 半導体製造装置・材料の国際展示会「セミコン台湾(SEMICON Taiwan)2011」が7日、台北世界貿易センター展示場1館(台北世貿一館)で始まった。6日の記者会見では、台湾および海外の大手半導体メーカーの経営陣より、半導体業界の景気は今年下半期は不調なものの、来年第1四半期以降に徐々に好転し、下半期には例年の需要期を取り戻せるとの期待感が示された。7日付工商時報などが報じた。

 こうした見方を示したのは、日月光半導体製造(ASE)の唐和明総経理、京元電子(KYEC)の梁明成総経理、アプライド・マテリアルズの余定陸副総裁ら。このうち梁KYEC総経理は、パッケージング・テスティング(封止・検査)業界の設備稼働率は現在50〜60%で、第4四半期には再び非需要期に入るものの、来年第1四半期以降に段階的に好転するとの予測を示した。

 なお、ASEやKYECの主管からは、半導体業界は現在在庫調整を進めているところで、下半期は本来需要期であるものの、今年は需要が非常に落ち込んでいるとの指摘が出た。

KYEC・力成などが初参加

 今年のセミコン台湾には、世界19カ国570のメーカーが参加し、1,200のブースで製品の展示などが行われる。KYEC、力成科技(パワーテック・テクノロジー、PTI)、発光ダイオード(LED)エピウエハー生産設備大手である独アイクストロン、化学素材の米ATMIなどは初めて参加する。

 会場には、▽LED Taiwan応用・製造プロセス▽先進パッケージングの状況▽先進テスティングの状況▽マイクロシステム▽グリーン製造プロセスと工場業務管理▽中古設備──のテーマ別の特別展示エリアが設けられるほか、計32回のイノベーション技術発表会、計50項目の産学による研究発表が行われる。

 また、台湾積体電路製造(TSMC)の蒋尚義・研究発展資深副総経理や余振華・先進モジュール技術発展資深処長、ASEの唐総経理、ソニー・コンピュータエンタテインメントの豊禎治SVPソフトウエアソリューション開発部長など、台湾と海外の大手電子企業、および研究機関の幹部らによる計9回のフォーラムが開かれる。

 主催の国際半導体製造装置材料協会(SEMI)では9日までの期間中に、6万人の参観者が訪れるとみている。

半導体材料調達も世界一に

 SEMIは今年の半導体設備市場の規模は前年比12%増の443億米ドル、来年は430億〜440億米ドルと今年から横ばいか若干下回るとみている。

 台湾メーカーによる半導体設備支出は今年106億米ドルで世界最高、来年も同規模を予想している。また半導体材料の支出も今年は97億米ドルと、初めて日本を抜いて世界最大の市場に成長する予測だ。さらに来年は100億米ドルの大台を見込む。

TSMCの28ナノ、来年初頭に量産

 半導体業界で現在注目を受けている話題の一つに、TSMCによる28ナノメートル製造プロセス製品の製造スケジュールがあるが、林本堅同社研究開発副総経理は6日、第4四半期に少量生産、来年初頭に量産に入るという見通しを示した。

 張忠謀同社董事長は以前、同製造プロセス製品をスマートフォンやタブレット型パソコン向け半導体の主力に据えて、大きな商機を獲得したいとの考えを示していた。

【図】