ニュース 電子 作成日:2011年9月8日_記事番号:T00032442
ファウンドリー世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の蒋尚義・資深副総経理は7日、同社は28ナノメートル製造プロセスにおいて「獲得できる受注はすべて受注した」と語り、既に受注が満杯状態となっていることを明らかにした。来年の需要についても「非常に良い」との見方だ。さらに次世代の20ナノプロセスを来年9月に、14ナノプロセスは2015年に量産を開始するとの計画を示した。8日付工商時報が報じた。
蒋資深副総経理によると、同社の28ナノプロセスは既にテープアウトして出荷を開始しており、あらゆる性能要求を満たしたことに顧客から高い評価を得たという。
半導体設備業者によると、TSMCが第4四半期から28ナノプロセスで生産を開始 するのは、▽アルテラおよびザイリンクスのFPGA(フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ)チップ▽クアルコムの第3世代(3G)ベースバンドチップおよび中央処理装置(CPU)「Snapdragon(スナップドラゴン)」▽エヌビディアの次世代グラフィックチップ──などとなっている。さらに来年第1四半期からはルネサスエレクトロニクス、富士通、ブロードコムからの受注も獲得する見通しだ。
バークレイズ・キャピタル証券の陸行之アジア・太平洋地区主席半導体アナリストは、TSMCの28ナノプロセスによる売上高構成比は来年第4四半期に10%まで拡大すると予測。ただ、TSMCがアップルからプロセッサを受注すれば、同社28ナノプロセス生産ラインの80%以上を占め、深刻な生産能力不足となるとの見方を示し、40億〜50億米ドルの設備投資が必要だと指摘した。
「20ナノでさらにリード拡大」
また花旗環球証券(シティグループ・グローバル・マーケッツ)の徐振志・半導体アナリストは、TSMCは現在、ある大手顧客と20ナノプロセスによるクアッドコア製品の共同開発を進めており、来年下半期にプルイン段階に入れば、同社は同業に対するリードをさらに広げることになると指摘した。
ただ、蒋資深副総経理は同プロセスについて、超紫外線(EUV)露光技術がまだ成熟していないことから多重露光技術を採用すると説明。コストが増加する上、効率も半分に低下することから、顧客の移行意欲が強まるのは、露光技術の革新と18インチウエハーへの移行後となるとの見方だ。
さらに15年の量産開始を目指す14ナノプロセスについては、来年から研究開発(R&D)に着手すると表明。ただ、同プロセスもEUV露光装置やマルチビーム方式の電子ビーム露光装置(MEB)の処理能力(スループット)が理想的ではないため、量産まではまだ時間がかかるとしている。
このほか、18インチウエハー工場は15年に新竹で生産ラインを設置、テスト生産を開始する計画だ。量産開始時期は未定だが、同サイズに移行すれば必要な労働力と工場数を削減でき、さらに電力・水道費用も抑制できるため、12インチウエハーに比べコストを30%低減できると期待している。
張忠謀TSMC董事長(右)は、台北市で開催中の「セミコン台湾」で、環境・健康・安全面で貢献の大きかった人物に贈られる「井上晧EHS賞」を受賞した(7日=中央社)
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