ニュース 電子 作成日:2011年9月9日_記事番号:T00032472
宏達国際電子(HTC)は米国で7日、同社のグーグル「アンドロイド」OS(基本ソフト)搭載端末に特許を侵害されたと昨年から提訴を続けるアップルに対し、グーグルから先週譲り受けたモトローラ・モビリティなどの特許9件を武器に、3回目の特許侵害訴訟を起こした。今回はグーグル自らが勝算の高い特許項目を選び、破格の3億台湾元(約8億円)以下でHTCに移転したもようだ。アップルに比べ特許の種類と質で劣勢だったアンドロイド陣営が、陣容を強化して反撃に出た格好だ。9日付工商時報などが報じた。
HTCは、米国際貿易委員会(ITC)とデラウェア州連邦地方裁判所で、アップルのノートパソコン「マックブック(MacBook)」、デスクトップPC「iMac」、クラウドコンピューティングサービス「iCloud」、音楽配信サービス「iTunes」に特許9件を侵害されたと訴えた。
この9件は、グーグルが昨年取得したパーム(2件)とオープンウェーブシステムズ(3件)のほか、8月に買収を発表したモトローラ・モビリティ(4件)の特許だ。モトローラ・モビリティの特許には、3GやWi−Fiなど無線を使って最新ソフトウエアやOSを取得するOTA(Over The Air)が含まれている。アップルの新世代OS、「iOS」や「MacOS X」はOTAでアップデートするため、対アップル特許訴訟で有利に働くと工商時報は指摘した。
HTCは、アップルが特許侵害をやめるまで知的財産権の保護に全力を尽くすと表明。自社、提携パートナー、HTC製品を好んで使用している消費者すべてを守る義務があると強調した。
保有特許で一定の足場
グーグルの持つ特許は従来、大部分がソフトウエアに関するもので、アップルのハードウエア、ファームウエア、ユーザインターフェース、タッチコントロールなどの特許群に対抗するのは困難との観測が出ていた。
サムスン電子のタブレット型PC「GALAXY Tab 10.1」が最近、アップルによる提訴を受けてオーストラリア、および欧州連合(EU)の大部分の国で販売差し止め命令を受けたように、アップルとの訴訟の行方はアンドロイド陣営の企業にとって死活問題だ。このため、グーグルやHTCは最近、有力特許を持つ企業の買収を積極的に進めてきて、今回のHTCの提訴は、この戦略で一定の足場を得たことに基づくものと解釈できる。HTCとグーグルの狙いは、積極的に戦ってアップルとの和解を勝ち取ることにあるとの見方も出ている。
サムスンの救出に注目
なお、グーグルは、対アップル訴訟でより厳しい状況に置かれているサムスンにも、HTC同様の支援を行うかが注目されている。グーグルがサムスンを窮地から救出できれば、タブレットPCのOSにアンドロイドを使用する宏碁(エイサー)、華碩電脳(ASUS)の台湾PCブランドも、アップルによる訴訟の脅威が解消することになる。
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