ニュース 電子 作成日:2011年9月14日_記事番号:T00032530
Facebook(フェイスブック)、グーグルなどがけん引する形でサーバー、ストレージなどクラウドコンピューティング用データセンターのハードウエアにカスタマイズ化の流れが巻き起こる中、広達電脳(クアンタ・コンピュータ)、緯創資通(ウィストロン)、英業達(インベンテック)などパソコンODM(顧客ブランドで設計から製造までを担当するメーカー)による受注観測が相次いでいる。発注元は、ヒューレット・パッカード(HP)やデル、IBMなどブランドメーカーを飛び越える形で受託メーカーに発注することになり、産業チェーンに変化をもたらしている。14日付電子時報などが報じた。
世界最大のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)サイト、Facebookは、サービス品質強化に向けたデーターセンターの増設が急務となっている。こういった中、観測によると、同社が新たに設置するデータセンター2カ所のうち既に完成したオレゴン州のデータセンターはクアンタが単独で、ノースカロライナ州はクアンタとウィストロンが受注したとされる。
このほか、グーグルのエンジニアが9月末に来台し、台湾の関連メーカーと来年のクラウド用サーバーの供給について交渉を行うとの観測が出ており、クアンタ、インベンテック、聯徳控股(LemTech)が1億台湾元(約2億6,000万円)規模の受注を獲得する見通しだ。
さらに米シスコ・システムズも、クラウド関連の調達を目的として、近々エンジニアを台湾に派遣するとされ、台湾の関連業界はクラウド景気に沸いている。
需要は中小クラウド業者にも
クラウドサービスを提供する各社の需要はさまざまで、ブランド業者の従来型データセンターでは対応が難しくなっている。Facebookのハードウエア調達担当者も、電源アダプタや回路板などもカスタマイズが必要で、「従来のサプライヤーが需要を完全に満たすことは不可能になっている」と語る。
ODMが顧客の要望に応じてカスタマイズしたハードウエアを直接提供するという新たなビジネスモデルは既に大きな流れとなっており、Facebookのような大手業者のみならず、中小業者にも需要があるため、ブランドメーカーにとっては大きな脅威となる。
通信業界とODMの利害が一致
またネットワーク業者や通信キャリアなどはこれまで、ブランド業者にデータセンターの設置を依頼し、さらにそこからクアンタ、ウィストロン、インベンテックなどに委託されていたが、直接ODMに依頼すれば、カスタマイズできるほかコストも20%以上削減できるという。
これは激しい競争にさらされる通信業者にとっては大きな魅力で、一方、長年パソコンの低利益率に苦しめられてきたODMにとっては、利益率の高いデータセンター用製品が受注できるとあって、双方の利害が一致、現在ではブランドメーカーを通さなくなってきている。
業界関係者によると、第2四半期のサーバー市場は20%の成長を見せたが、クラウド需要の拡大を受け、今後はさらに成長が加速する見通しだ。
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