ニュース 自動車・二輪車 作成日:2011年9月15日_記事番号:T00032558
三菱自動車を扱う中華汽車工業は、円高対策として部品の台湾調達比率を現在の65%(乗用車)から、年内に台湾自動車メーカーで最高水準となる70%まで引き上げる。トヨタ販売代理店、和泰汽車や裕隆日産汽車が値上げはやむを得ないとの姿勢を示す中、中華汽車は、日本から輸入せざるを得ない部品価格の上昇によるコスト増も自社で吸収、なんとか値上げを回避したい構えだ。15日付工商時報などが報じた。
日本調達コスト、2.5億元増
中華汽車の劉興台・執行副総経理は14日、東日本大震災後、円高はとどまることを知らず、台湾自動車メーカーのコスト負担が高まり、日本からの輸入車の値上げや輸入の一時停止が相次いでいると指摘した。台湾元の対円レートは年初1円=0.36元だったのが今や同0.38元となり、中華汽車が今年日本から調達する部品コストは2億5,000万台湾元(約6億5,000万円)増える計算だという。
三菱本社は円高によるコスト上昇分を製品や部品のオファー価格に転嫁しているが、台湾市場は現在、製品の値上げが受け入れられるムードにない。こうした中、中華汽車は、エンジンや変速機など引き続き日本からの輸入に頼らざるを得ない部品の値上がりは自社で吸収、それ以外の部品は域内部品メーカーに対し発注を増やすことで「適度な値下げ」を求め、さらに社内のフローを見直すことにより当面、販売価格を現状のまま維持する決断を下した。
和泰・裕隆日産、Q4値上げか
一方、和泰汽車は、10月発売の新型カムリで為替コストを上乗せするようだ。裕隆日産も、第4四半期の新車販売価格へのコスト転嫁を検討しており、「努力はしているが値上げを見送る可能性はますます低くなっている」としている。
「アウトランダー iO」。今後も積極的に新車種を投入し、消費者の購買意欲を刺激していく(14日=中央社)
市場40万台回復、13年を予測
なお中華汽車は同日、若者に人気の三菱「アウトランダー」から新車種「iO」を発売した。販売価格は4WDが96万9,000元、2WDが88万9,000元。同車種の投入により、現在月間600台のアウトランダー販売台数を押し上げると見込む。
劉副総経理によると、同社全体の今年の販売目標は5万6,000台(年初設定の目標5万5,000台)。今年の台湾新車販売市場全体についても36万台と楽観。今後も毎年5%の成長が続き、遅くとも2013年には40万台規模に達する可能性があると指摘した。
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