ニュース その他分野 作成日:2011年9月23日_記事番号:T00032730
日台の窓口機関が22日、投資の自由化・促進・保障を図る投資協定「日台民間投資取り決め」に署名した。立法院での議決を経て、早ければ12月中旬に発効する。日台間で結ばれた協定としては1972年の断交以降で最高レベルで、双方の経済関係緊密化に寄与する。経済部は自由貿易協定(FTA)締結の足掛かりになると期待を寄せている。23日付工商時報などが報じた。
大橋光夫・交流協会会長(右)は日台関係が新時代を迎えたと語ると同時に、東日本大震災に対する台湾の支援に謝意を示した(22日=中央社)
日台投資協定は、日本の対台湾窓口機関、交流協会の大橋光夫会長と台湾の対日窓口機関、亜東関係協会の彭栄次会長が台北市内で署名した。
同協定には、日台双方が相手地での企業の設立、買収、拡充、管理、処分などで現地企業と同等の待遇を与える「内国民待遇」や、特定国に与えた最も有利な貿易条件を適用する「最恵国待遇」などが盛り込まれた。相手側の投資に際し、輸出や現地調達の割合などを定めたり、技術移転を引き換えに求めることを禁じる「特定措置の履行要求の禁止」も含まれた。投資争議が起きた場合には、国際的な仲介機関を利用できることも取り決められた。
一方、▽通信・放送▽金融サービス▽運輸▽建設▽医療──など一部業種はネガティブリスト方式によって協定の対象から除外された。また、相手政府による調達やBOT(建設、運営、譲渡)案件への入札も対象外だ。
このほか、中国資本など第三地の企業が日本企業への出資を通じて不正に恩恵を受けることのないよう明文化されている。
馬総統、「ECFAの効果」
馬英九総統は日台投資協定締結について、中台の海峡両岸経済協力枠組み協議(ECFA)による効果だとの考えを強調した。馬総統は、日台の提携メリットとして、例えば日本企業が工作機械を台湾経由で中国に輸出する場合、ECFAアーリーハーベスト(早期の実施・解決項目)関税引き下げの恩恵を受けられることを挙げた。また日本企業は東日本大震災後、リスク分散のため海外拠点を模索しており、地理的に近く親日的で、工業・ハイテクに強い台湾が最適だと指摘し、日本企業は中国に投資せずとも台湾で同様の効果が得られると述べた。
日台投資協定は台湾の国際的地位向上の面でも意義があり、馬政権の重要な業績となった。しかし野党・民進党は、日台間の投資障壁はもともと低く、日本が馬政権の中国傾倒を憂慮した結果が今回の日台投資協定であり、中台ECFAは何の関係もないと批判した。
製造業にメリット
2010年6月のECFA締結以降、インド、シンガポール、フィリピンなどが相次いで台湾とのFTAなどの締結に意欲を表明したが、今回日本が先頭を切って、投資自由化などFTAのコンセプトの一部を先取りした協定を取り交わしたことになる。
黄重球経済部次長はFTA締結を視野に、日台はサプライチェーンをさらに緊密化させ、電子・化学材料・機械業界が恩恵を受けると語った。
中華民国中小企業協会の林秉彬理事長は、日台企業の相互補完で、特に製造業にメリットが大きいと指摘した。日本の中小企業にとって、台湾投資の安心感がさらに増すとしている。
投資協定締結を受けて、行政院は近く台日産業合作搭橋弁公室(日台産業提携懸け橋事務所)を設立する。
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