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WiMAX再編へ、威達がVMAX買収発表


ニュース 電子 作成日:2011年9月26日_記事番号:T00032757

WiMAX再編へ、威達がVMAX買収発表

 高速無線通信規格、WiMAX(ワイマックス)サービスを台中市で展開する威達雲端電訊(ビー・タイム)は24日、台北市と新北市の一部をサービスエリアとする同業の威邁思電信(VMAX)を14億5,000万台湾元(約36億2,000万円)で買収すると発表した。WiMAXサービスはかねてより北部と南部で計6社の事業者数が過剰と指摘されており、ビー・タイムによる買収計画発表は、業界再編に向けて最初の一歩が踏み出されたものと受け止められている。24日付工商時報などが報じた。

 VMAXは米インテルが19%、中堅通信キャリアの威宝電信(ビボテレコム)が33%、残りを通信ソリューションの東訊(テコム)が出資している。ビー・タイムは1株7.25元で3社の全持ち株を取得し、VMAXを100%子会社とする方針だ。なお、テコムは同日、1株6.5元、総額5億元余りで全持ち株を売却すると発表した。インテルとビボテレコムの株式の実際の取引額は、交渉によって決まるとみられる。

 WiMAXは2007年、北部と南部で各3社が事業認可を得た。ビー・タイムは南部、VMAXは北部の事業者で、買収計画が国家通訊伝播委員会(NCC)の認可を受ければ、台湾全土で事業を展開可能な初の事業者となる。

 郭富源ビー・タイム董事長は、VMAX買収後も当面は同社を存続させるとともに、さらに他のWiMAX事業者との事業統合に関する交渉を行う可能性を示した。業界関係者によると、現在産学官とも6社の事業者を当面2社に再編することが理想との認識で一致しているという。

 ただ、台中市でWiMAXを展開する遠伝電信(ファーイーストーン・テレコム)の紀竹律策略長は、WiMAX事業者はまだ資金調達も終わっていない上、来年には大型の設備投資が控えているとして、資金不足の課題を抱えていることを指摘した。

インテル撤退を象徴

 なお、今回ビー・タイムがインテルよりVMAXの持ち株を買収すれば、インテルの台湾WiMAX市場からの撤退を象徴する意味を持つとみられている。

 インテルは05年、経済部とWiMAX環境整備に協力する覚書(MOU)を結び、08年には5年以内に台湾業界よりWiMAX関連の5億米ドル規模の調達を行うと表明したが、その後、VMAXへの出資を除けば大型の投資・調達は実施していない。昨年6月には社内のWiMAX推進室「WiMAX Program Office(WPO)」の解散を社内通知し、WiMAX撤退の観測が一気に強まった経緯がある。
【表】