ニュース 電子 作成日:2011年9月28日_記事番号:T00032814
仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)は27日、世界3位のパソコンブランド、聯想集団(レノボ・グループ)と中国・安徽省合肥市にPC生産の合弁企業を設立すると発表した。2012年末の量産を見込む。コンパルは最大顧客、宏碁(エイサー)のライバル企業と強固な提携関係を築く形で、PC業界の勢力図書き換えにつながる可能性もある。28日付工商時報などが報じた。
コンパルとレノボの合弁会社、聯宝(合肥)は初期投資額1億米ドルで3億米ドルまでの増資を予定しており、出資比率はレノボ51%、コンパル49%。ノートPCとオールインワン(モニター一体型、AIO)PC生産を中心とし、ノートPC月産能力は初期段階で30万~50万台を見込む。タブレット型PCは当面生産しない。
AIO足掛かりに受注拡大へ
証券会社によると、レノボのPCは自社製20%のほか、コンシューマ向け「Idea」シリーズを中心にコンパルの受託生産が30~35%で、ビジネス向け「Think」シリーズを 中心に緯創資通(ウィストロン)が30~35%、「IdeaPad」を中心に広達電脳(クアンタ・コンピュータ)が10~20%を担っている。
コンパルは、現在クアンタとウィストロンで7割近くを受託生産しているレノボのオールインワンPCの受注は少量だが、今後両社から受注を奪い、さらにレノボのノートPC受注を増やす足掛かりにすると市場で予測されている。なお、レノボのオールインワンPC出荷は昨年130万台、今年は180万~200万台の見通しだ。
コンパルの提携強化によってクアンタとウィストロンが不利になるとの観測に対し、梁百峰レノボ台湾総経理は、レノボは市場シェア、出荷台数ともに毎年成長し続けるため、協力各社に対する発注量が増えることはあっても減ることはないと強調した。業界では、レノボは今年末にも世界2位ブランドに浮上し、その後はコンパルとの合弁で確保した生産能力を武器に、世界首位に向けまい進するとの見方も出ている。
顧客見直しで2割成長へ
コンパルの陳瑞聡総経理は8月末、来年のノートPC出荷は2割成長するとの見通しを表明していた。今年の受注の30%を占める主要顧客、エイサーが不振に陥った中、レノボ(受注構成比20%)やデル(同18%)との提携強化が自信の根拠だったと推測される。
コンパルは来年レノボから1,000万台の受注が見込まれる。デル向けの出荷台数も、大口受注により1,200万~1,300万台まで拡大すると予測されている。ただ、レノボとの提携強化が、エイサーからの受注に影響しないかは観察が必要だ。
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