ニュース 自動車・二輪車 作成日:2011年9月29日_記事番号:T00032844
トヨタの台湾総代理店、和泰汽車は28日、来年の自動車市場の新車販売台数について、今年を下回る35万〜36万台との見通しを示した。世界的な景気減速、台湾株式相場の下落によって消費意欲に悪影響が出るとの見方だ。29日付工商時報が報じた。
和泰汽車の蘇純興総経理は、今年の総販売数についても、従来の38万台の予測を37万台に下方修正した。今年は当初、大規模な買い替えブームを起こると期待していたが、上半期に東日本大震災で自動車・部品の供給に影響が出たこと、下半期の株価下落で、結局こうした需要は盛り上がらなかったと指摘。最近はディーラーから、旧暦7月の「鬼月」(7月31日〜8月28日)以前よりも自動車を見学に訪れる客が減っているとの報告が上がっており、年末の消費動向が懸念されると語った。また、来年1月に総統・立法委員選挙が控えていることも、消費者が大型消費に慎重になる要因とみている。
今年は6月に非居住用住宅や高級品に加重課税を行う特殊貨物労務税(ぜいたく税)が導入され、直前の駆け込み需要で輸入高級車がよく売れた。蘇総経理は、通年で市場全体の12〜13%と、例年の5〜6%の2倍以上の売れ行きを見込むが、最近は販売の勢いが落ちており、第4四半期からは例年の売れ行きに戻るとみている。
なお、来年の自動車市場の販売見通しについては、業界からは以前「40万台の回復も可能」との声も出ていたが、最近の流れから悲観に転じる見方が相次いでいる。裕隆日産汽車の李振成協理はこのほど、来年の市場規模は37万台で、今年比で1万台増加するにすぎないとの見通しを示した。
今後も続々と値上げ
和泰汽車は27日に、10月より1,500ccセダン「ヴィオス」の販売価格1万台湾元(約2万5,000円)値上げを発表したばかりだが、蘇総経理は11月のイノーバ2.0、12月のカムリのフルモデルチェンジタイプ投入に当たっても、同車種の価格を引き上げる考えを示した。また、来年1月以降、日本から輸入するトヨタおよびレクサスブランド車の大幅値上げは避けられないとの見方も示し、「それでも順調な販売を続けられるかは、最も頭の痛い問題だ」と語った。同社は市場シェア目標を今年は32%、来年は34%に設定している。
中国販売拠点を拡大
蘇総経理はこのほか、中国市場での販売強化に引き続き注力する考えも示した。販売拠点は来年16カ所と新たに4カ所増やし、特にレクサスの販売拠点増に重点を置く。ただ、中国は世界最大の自動車市場になったものの、今年は成長力に鈍化がみられた。蘇総経理は「新車のセールス手法が多様化した結果、粗利益率に影響が出た。中国事業の新たな課題となっている」と説明した。
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