ニュース 電子 作成日:2011年10月3日_記事番号:T00032906
宏達国際電子(HTC)のタブレット型パソコン「フライヤー(Flyer)」の販売価格を、米家電量販店大手のベストバイが4割引き下げ299米ドルとした。米アマゾン・ドット・コムが7インチ「キンドル・ファイア(Kindle Fire)」を199米ドルの低価格に設定したことで、米アップル「iPad」以外のタブレットPCは値下げの波に見舞われており、生存競争は厳しさを増している。3日付工商時報が報じた。
ベストバイの値下げに対しHTCは「通常の価格調整だ」とコメントした。ただ、「キンドル・ファイア」は11月15日発売予定ながら予約受付が相次ぎ、わずか2日でアマゾンの電子製品売り上げランキングで首位となるなど、グーグル「アンドロイド」OS(基本ソフト)搭載タブレットPC市場に脅威を与えている。
アップル「iPad」が独走する中、最近、アンドロイド搭載タブレットPCは値下げが相次いでいた。モトローラが先頭を切って7月に「Xoom(ズーム)」を米国市場で599米ドルから499米ドルに引き下げた後、8月にはヒューレット・パッカード(HP)が「タッチパッド(TouchPad)」の生産打ち切りを発表して499米ドルを99米ドルに大幅値下げし、在庫処分を進めている。リサーチ・イン・モーション(RIM)の7インチ「プレイブック(PlayBook)」も「キンドル・ファイア」発表を受け、米国の販売店で299米ドルへと4割値下げされた。
コンテンツサービス充実が急務
こうした値下げ後のアンドロイド搭載タブレットPCをも下回る低価格で、アマゾンが「キンドル・ファイア」を投入できるのは、自社でアンドロイドアプリケーションを販売し、映画、テレビ番組、書籍、音楽、雑誌などさまざまなコンテンツを提供することで、儲けを出すことができるためだ。
一方HTCは、動画配信サービス「HTC Watch」や出資先オンライブの「クラウドゲーム」では魅力不足だ。規格の面でも「フライヤー」米国版はデジタルカメラ搭載の優位性以外は、グーグル「アンドロイド2.3」OS(基本ソフト)搭載、通信はWi−Fiのみ対応など「キンドル・ファイア」と大きな違いがない。
iPad以外のタブレットPC市場が価格競争に追い込まれる中、HTCは準備が観測される電子ブックサービス「HTC Read」や、音楽配信サービス「HTC Listen」など、コンテンツサービスの強化が課題となる。しかし、アップルは「iTunes」でも10年以上の実績があり、アマゾンも膨大なコンテンツを抱えているため、挑戦は容易ではない。
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