ニュース 電子 作成日:2011年10月7日_記事番号:T00033022
米アップルのスティーブ・ジョブズ前CEO(最高経営責任者)死去の知らせが伝えられた6日、台湾株式市場で時価総額2兆台湾元(約5兆円)と言われるアップル関連企業の株価は、一部で下落したものの多くは上昇した。アップルは既に次世代製品の開発段階で、今後2年は市場での地位が揺るがないとの見方が多勢を占めるためだ。発注業務などの権限も委譲済みで、台湾サプライチェーンへの影響は短期的には発生しないとみられている。7日付電子時報などが報じた。
台北市のアップル製品取扱店でも、PCにジョブズ氏の追悼画面が映し出された(6日=中央社)
アップルのパソコンやスマートフォンなどの受託生産、部品供給など関連メーカーは、台湾株式市場で時価総額の1割以上を占める。アップルがカリスマを失い、同社に供給するデジタルカメラレンズの大立光電(ラーガン・プレシジョン)、タッチパネルの宸鴻集団(TPKホールディング)は株価が大幅に下落、デジカメレンズの玉晶光電(ジニアス・エレクトリック・オプティカル)やバッテリーの新普科技(シンプロ・テクノロジー)株はストップ安となった。
価格競争に逆戻りか
行政院経済建設委員会(経建会)の劉憶如主任委員は、ジョブズ氏の訃報は急だったが、アップルの業務引き継ぎはしっかりなされており、台湾の産業界への打撃はあっても一時的だと語った。
資訊工業策進会(MIC)の洪春暉・産業顧問兼副主任は、優れたアイデアを生み出し続けたジョブズ氏が不在となり、市場はこれまでのイノベーション競争から、価格競争に逆戻りする恐れがあると語った。仮にそうなれば、台湾サプライチェーンは粗利益率のさらなる低下に見舞われる可能性もある。
魏伝虔MICアナリストは、アップルはiPhone4発売時に既に次、さらにその次の製品開発に取りかかっていたと指摘。ただ、これらの製品を市場に出し終わった2年後には、独自の創造性が失われる恐れがあると予測した。
工商時報も、米国時間4日に発表された「iPhone4S」が何らサプライズをもたらさなかったことから、普通の会社への「成り下がり」が始まっていると分析を示した。
「iPhone4S」の部品は第3四半期に少量から出荷が始まっている。ただ、消費者は同機種に失望しており、欧米の景気不安も相まって、あるプリント基板(PCB)メーカーは、第4四半期は需要期ながら、アップルからの受注量は前期比15%以上減少すると懸念している。
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