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牛乳で価格カルテル、大手3社に重罰


ニュース 食品 作成日:2011年10月20日_記事番号:T00033257

牛乳で価格カルテル、大手3社に重罰

 行政院公平交易委員会(公平会、公正取引委員会に相当)は19日、大手牛乳メーカー、味全食品工業、統一企業(ユニプレジデント)、光泉牧場(KCデイリー)の3社がカルテルを結び、牛乳価格を不当に引き上げたとして、公平交易法違反で計3,000万台湾元(約7,600万円)の罰金を科すと発表した。罰金額は同業界で過去最高だ。3社は「談合はしていない」と反論、訴願手続きを取る構えを示している。20日付聯合報などが報じた。


公平会は、カルテルを結んだ直接的な証拠がないからといって、消費者に不利益をもたらす行為を見過ごすことはないと強調した(19日=中央社)

 3社は今月、いずれも牛乳価格を引き上げている。公平会は、生乳(原料乳)価格が1キログラム当たり1.9元値上がりした背景はあったものの、各社の値上げ幅は生乳価格の上昇幅を大きく上回り、しかも一致性がみられると指摘した。

 1リットル詰め商品を例にとると、味全の「林鳳営」(936ml)は77元から83元に、統一の「瑞穂」(930ml)は76元から82元に、光泉の「乳香世家」(936ml)は76元から82元へと、各社とも6元の値上げで一致している。

 公平会は、2007年に生乳価格が上昇した時に比べ、牛乳価格の引き上げ幅が大きく、生乳仕入れ価格上昇分、約2元を除く4元分の値上げ幅について各社に説明を求めた結果、3社の値上げ理由は異なるにもかかわらず、値上げ幅が一致していることには合理的な説明がつかないと指摘。今回の状況を過去の経験、論理的な推論に照らして談合を行った可能性が高いとして違法認定を下した。各社の罰金額は、市場シェアに基づき、▽味全、1,200万元▽統一、1,000万元▽光泉、800万元――となった。なお台湾の牛乳市場は3社が計84%のシェアを持つ。

値下げは要求できず

 公平会は3社に価格カルテル認定で重罰を科したものの、施恵芬・同会副主任委員は牛乳価格について「業者が元の価格に戻すかどうか、どの程度、どのように調整するかなどについては当会の管轄ではない」と語り、改善や値下げを求めることはできないとの考えを示した。

 一方量販店は、牛乳の値上げ後、販売量が40〜50%落ち込んでおり、今回の処分を機に、メーカー側と価格交渉を行うとしている。

コンビニコーヒーにも調査の手

 なお、牛乳の値上げを受け、コンビニエンスストア各チェーンが、店内で販売する入れたてコーヒーのうち「ラテ」「カプチーノ」など牛乳を使用する商品について1杯5元値上げしており、消費者からは「便乗値上げだ」と批判の声が上がっている。これについて公平会は、「最も緊急を要する案件として 既に調査を開始しており、早ければ11月中に結果を公表できる」とコメントした。