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創業祭狂想曲、消費集中に困惑


ニュース 商業・サービス 作成日:2011年10月21日_記事番号:T00033285

創業祭狂想曲、消費集中に困惑

 新光三越百貨の台北信義新天地4館で20日周年慶(創業祭)セールが始まり、特売の化粧品が飛ぶように売れて、全体で過去最高の7億台湾元(約17億7,000万円)の売上高を記録した。消費の底堅さを裏付けているように見えるが、買い物がセール期間に集中する現象の反映という面があり、ショッピングの質の低下など百貨店業界の長期的な発展にとってマイナスとの指摘がある。21日付聯合報などが報じた。

 新光三越信義新天地では、マックスファクターの化粧品「SK−Ⅱ」のセットが限定350組で55%引き、エスティローダーの「マイケルコース」化粧品セットが300組限定で66%引きで売られ、これを目当てに早朝から数百人が店の前に並んだ上、開店から10分で売り切れた。

 信義新天地を訪れた買い物客数も、同日は過去最高の延べ30万人に上った。楊宗栄店長によると、人出は前年比で2割多く、特売品の販売は前年比2,000件増の1万3,000件に上った。

年間売上高の4分の1が集中

 こうした強い購買意欲は、百貨店各社が創業祭セールを競うあまり、消費者に「セール期間以外は買い物をしない」習慣が生まれたことの裏返しでもある。1年分の商品を創業祭でまとめ買いする消費者も少なくなく、大手百貨店はわずか20日間の創業祭セールで年間売上高の約4分の1をたたき出している。台湾資生堂の李国祥董事長は「化粧品の購入が創業祭セール、母の日セールの2大セールに集中するのは世界でも台湾だけで、実はとてもおかしな現象だ」と語る。

 20日は雨の中、大勢の買物客が列をつくって待ったり、売り場で押し合いになったりする光景がみられた。買い物の楽しさはもちろんない。 

 化粧品カウンターで普段行われているスキンケアのカウンセリングサービスも、周年慶セール中は大勢の客が殺到するため中止せざるを得ない。また、おなじみの「1,000元の買い物で100元バック」といったキャンペーンによって、消費者が本来必要ないものまで無理に購入することも多い。こうした弊害から、創業祭セールに消費が集中する現状を徐々に改めたいと考える百貨店業者もいるようだ。

ATT 4 FUN、正式開店

 信義区では同日、若者向けショッピングモールの「ATT 4 FUN」が正式オープンし、百貨店の集積効果がさらに高まった。 

 同店は営業面積1万3,500坪で、早速創業祭セールに入り、来月13日まで全館で商品を2割引きにする上、5,000元の消費で500元の食事券をプレゼントする。

 同店には台湾最大800坪のナイトクラブ「Club Myst」も入り、上層階に床面が透明のプールを設置して、下層階から水着姿の女性を眺められることを売りにしている。

【表】