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ASE、世界シェア3割に照準


ニュース 電子 作成日:2011年10月24日_記事番号:T00033315

ASE、世界シェア3割に照準

 半導体パッケージング・テスティング(封止・検査)最大手、日月光半導体製造(ASE)の張虔生董事長は23日、中国・台湾での生産能力増強に約4,900億台湾元(約1兆2,000億円)を投じる「黄金10年計画」を発表した。今年の半導体業界はゼロ成長、来年も微増の予測ながら「(景気の春を告げる)ツバメは自ら探しに行く」と語り、現在7%の世界シェアを2020年に25~30%まで拡大する成長戦略を示した。24日付工商時報などが報じた。


張董事長はASEに「無給休暇」は存在せず、高雄工場はフル稼働だと語った(23日=中央社)

 張董事長は、20年には台湾で従業員6万人、上海、昆山など中国で14万~15万人、中台合わせて20万人以上の大規模な戦力を抱え、世界シェア25~30%に相当する年間売上高200億~300億米ドルを目指すと意気込みを語った。

 従来は人手不足のため、先進製造プロセスを選んで受注していたが、対中投資規制の緩和で中国で投資を推進できる上、封止・検査を自社で行っていたIDM(垂直統合型の半導体メーカー)の外部委託拡大が追い風となると説明。また、一つの業界に10社以上は多すぎ、実際に利益を出せるのは3~4社だと指摘し、世界の景気減速に注目が集まっているが「半導体封止・検査業にとって最大のチャンス」とシェア拡大に意欲的な姿勢を見せた。

昆山工場、中国最大へ

 張董事長は中国投資に関し、江蘇省昆山市に600億人民元(約7,200億円)を投じ、従業員9万人の工場を設置する計画を初めて明らかにした。20年までに完成させ、年間売上高900億人民元規模の中国最大の生産拠点とする計画だ。

 このほか、既に発表している上海市浦東新区の張江高科技園区(張江ハイテクパーク)と金橋出口加工区の上海本部ビル、研究開発(R&D)センター、工場設置に240億人民元を投じ、20年に年間売上高400億人民元を見込む。山東省威海市では70億人民元を投じて既存工場を拡張し、20年売上高は100億人民元を予想している。

台湾工場、18年に3倍規模

 ASEは23日に高雄市の経済部加工出口区(輸出加工区)楠梓園区で、高雄K12工場の落成式と楠梓第2園区の起工式を行い、桃園県中レキ(レキは土へんに歴)ビル着工も宣言した。

 張董事長は、高雄と中レキ工場拡張で、早ければ18年にも台湾で売上高84億米ドル(現在26億米ドル)、従業員6万人(現在2万人)へと3倍に規模が拡大すると語った。

 高雄楠梓第2園区では工場棟2基と研究開発(R&D)ビル1基を2期に分けて建設し、13年、14年に完工する予定だ。投資額は10億米ドル。就業機会6,300件の創出を見込む。

 中レキでは8億米ドル以上を投じ、工場2棟と事務所兼研究開発センター1棟を14年に完工させる。就業機会9,500件を創出し、同工場の従業員数は1万5,000人まで増える見通しだ。

【表】