ニュース 電子 作成日:2011年10月26日_記事番号:T00033375
液晶パネル大手、友達光電(AUO)は25日業績説明会を開き、業界景気の低迷に応じて、今年の設備投資額を従来の700億台湾元から600億元(約1,500億円)への、今年2度目の下方修正を行うとともに、来年についても創業以来最低の400億元以下になるとの見通しを示した。業界景気は当面低迷が続き、今年は過去最悪の500億元の赤字が予想されている。26日付電子時報などが報じた。

楊本予同社財務長によると、来年の設備投資はシンガポール工場の生産ライン転換と中国・昆山工場の建設に200億元以下で、AHVA広視野角、3次元(3D)、タッチ、アクティブマトリックス式有機EL(AMOLED)など、各種パネル技術に200億元以上を投じる。
4四半期連続で赤字100億元台
AUOが同日発表した第3四半期業績は、連結売上高が前期比0.9%増の989億2,700万元。純損失が157億9,600万元で、昨年第4四半期以来、4四半期連続で100億元以上の赤字を計上した。
第4四半期も赤字決算は確実な見通しで、外部からは財務状況への懸念が出始めているが、楊財務長は「帳簿上にまだ830億元の現金があり、財務状況は依然健全と言える」と説明した。
なお、第3四半期の設備稼働率は 77〜78%で、第4四半期は需要低迷でさらなる低下を予想している。
新興市場に「秘密兵器」
業界景気の見通しについて鄭煒順代理総経理は、「暗黒期が当面続く。第4四半期は本来の需要がなく、今後1〜2四半期は好転の兆しが表れない」と悲観的な見方を示した。その上で、資金管理の強化や支出削減に努め、利益優先で受注に取り組む考えを示した。
彭双浪執行副総経理は、欧州市場がマイナス成長に陥り、米国と中国の成長力に限界がある現在、新興市場の成長力、および価格が鍵になるとの見方を示した。同社は来年「貴妃機」というパネル新製品の投入を計画している。液晶テレビ用パネルはこれまで薄さを追求して10ミリメートル以下が実現したが、同製品は3年前の規格である40ミリに戻す。ただ、コスト競争力があり、新興市場向けの「秘密兵器」と位置付けている。
昆山工場稼働「13年以降も」
彭執行副総経理はまた、昆山8.5世代工場の建設を急がない考えを強調した。生産開始は早くて2013年、場合によってはそれ以降になるとした。
既に8.5世代工場で量産に入った京東方科技集団(BOE)、広州華星光電の中国大手液晶パネルメーカーについては、「台湾・韓国の同業者よりも技術的に1〜2世代劣るため、1年以内は大きな脅威にならない」との見方を示しつつ、「台湾メーカーはこの間に先端技術とハイエンド製品のさらにリードを広げなければならない」と語った。
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