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6歳未満は英語塾禁止、教育部に批判殺到


ニュース 社会 作成日:2011年11月2日_記事番号:T00033488

6歳未満は英語塾禁止、教育部に批判殺到

 教育部がこのほど、6歳未満の子どもに英語などを習わせることを禁止する「補習及進修教育法」改正案を策定したことで、保護者や塾経営者から猛反発が起きている。改正案によると、英語などを教える学習塾は、6歳未満の生徒募集をしてはならず、違反した場合は5万〜25万台湾元の罰金が科せられる。なお、同改正案の施行には、立法院での可決が必要だ。

 対象となる習い事は、英語のほか、珠算(そろばん)・暗算、速読、囲碁、書道、作文など。ダンスや音楽、美術など、身体を動かしたり創作する習い事は除外されている。ただ、英語でもダンスの中に取り入れた場合はOKというから、定義が分かりにくい。毛筆で字を書く書道はダメだが、同様に毛筆で絵を描く中国画はOKというのも理解しがたい。

 教育部によると、6歳未満の子どもは大脳が未発達なため、記憶や思考を必要とする習い事は、大脳の発育に影響を及ぼす。例えば英語の場合、早期教育は母国語の習得に影響するという。

 これに対し、保護者の団体、全国家長団体聯盟は、「教育部は子どもの個性を尊重すべきで一律に禁止すべきでない」と批判的。保護者からも「余計なお世話だ」「潜在能力は子どもによって違い、保護者に選択の自由がある」「就学前の子どもの学習は、保護者が決めればよい」など、不満の声が多い。

 台湾の6歳未満の子どもは約115万人。全土1万8,975校の塾のうち、英語などの学習塾は1万5,779校、習い事は3,196校。6歳以下で最も多いのは4〜5歳児が習う英語と珠算・暗算だという。

 改正案が施行された場合、塾で働く7万〜8万人の生計に影響する見通しだ。塾の団体、台北市補教学会は「学習塾の生徒募集を制限するのはばかげている」と、徹底反対の姿勢を示している。

 我が子にスタート地点で遅れを取らせたくないと思うのは親心。教育部の老婆心も理解はできるが、義務教育でない6歳未満児にまで口出しするのはおせっかいすぎる気がする。