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教師と生徒の恋愛禁止、教育部に賛否両論


ニュース 社会 作成日:2011年11月3日_記事番号:T00033516

教師と生徒の恋愛禁止、教育部に賛否両論

 中国語で教師と生徒の恋愛を指す「師生恋」は、台湾でも倫理・道徳面から禁断の愛とする見方が多い。しかし、教育部がこのほど「師生恋禁止令」を出したことに対しては、批判も多く、論争が巻き起こっている。

 教育部の恋愛禁止令は、学校側が教師を招聘(しょうへい)する際、18歳以下の学生との恋愛禁止を雇用契約で明文化し、違反した場合は教師に対する処分を要求するもの。処分は各校が決め、最も重い場合は解雇となる。

 教育部は、生徒が既に成人した大学生や大学院生であっても、教師との恋愛関係は不適切との立場で、学生はその教師の授業の履修をやめ、教師は自ら進んで学校側に報告するべきだとしている。実際、海外では米国のイェール大やミシガン大などには、こうした規定があるという。

 教育部の禁止令に対しては、「教師と生徒とは一定の距離を保つのが礼儀」「生徒に対する成績評価が公平でなくなる」「禁止令は教師と生徒を守るもので、双方にとって良い」など、賛成する意見が多い。しかし一方で「恋愛は自由」「解雇処分は重すぎる」「人権の否定に当たるのではないか」などの声もある。

 なお、禁止令が大きく報じられたことから、教育部は突然「奨励はしないが、禁止もしていない」「学校側に注意を呼びかけただけ」と態度を一変させた。

 ちなみに、台湾で最も有名な師生恋は、1995年、当時台湾大学副教授だった王文洋氏(現・宏仁集団総裁)と、大学院生だった呂安妮さんだろう。王さんが台塑集団(台湾プラスチックグループ)の創業者、故王永慶氏の長男で、後継者として有力候補だったことや、呂さんとは不倫関係だったことから、社会的なスキャンダルになった。王氏が父親の怒りを買って台プラグループを追放される結果となったのは、この師生恋が原因だった。

 教師と生徒の恋愛はご法度、という世間の目は、昔も今もさほど変わっていないのだろう。