ニュース 社会 作成日:2011年11月9日_記事番号:T00033629
今月4日、セーシェル共和国周辺のインド洋海域で操業中、ソマリア海賊に拿捕(だほ)されていた台湾籍漁船「金億穏号」は、海賊を撃退して乗組員28人は全員無事であることが分かった。
政情が不安定なソマリアでは、1990年代初頭から周辺海域で海賊の活動が活発化し、国際海運にとって脅威となっている。海賊による被害は年間200件以上に上っており、数年前からはインド洋西部でマグロ漁を行う台湾や中国の漁船が拿捕される事件も発生している。
金億穏号を乗っ取った海賊6人は、AK−47(1947年式カラシニコフ自動小銃)を持ち、海賊船から小舟に乗ってやってきた。中国籍の船長以下、中国、フィリピン、インドネシア、ベトナム籍の乗組員28人は、1カ所に監禁されたが、手足は縛られなかったため、船長の指示で2組に分かれて反撃に出ることに。
5日正午、海賊たちが銃を置き、昼食の準備に取り掛かったのを見計らった乗組員のうちの1組が6丁の銃を奪うことに成功。それに気付いた海賊たちと、殴り合いになったところを釣針を持った別の1組が加勢し、海賊たちの腕を釣針で引っかいた。形勢不利とみた海賊6人は海へ飛び込み、海賊船に拾われた。発砲もなく、1分ほどで決着がつくあっけなさだったという。
外交部は金億穏号からの通報を受け、国際海事局(IMB)の海賊通報センターや、英国海事貿易組織などに救援を依頼。海賊船は、セーシェルへと向かう金億穏号の後方20カイリをずっと追いかけてきたが、6日に英国が派遣した警護艦艇2隻がヘリコプターでかく乱したところ、逃走したという。腕に軽傷を負った船長とベトナム籍乗組員2人は治療を受けたので、金億穏号はセーシェル周辺海域で操業を再開することに。
海賊から船を奪回することができ、しかも乗組員が無事だったケースは非常に珍しい。船主の劉万天さんは日ごろから信仰している媽祖のおかげだと述べ、勇気ある28人の乗組員をたたえた。
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