ニュース 社会 作成日:2011年11月11日_記事番号:T00033688
10日午前、新北市政府に切羽詰まった問い合わせの電話が相次いだ。「一体、どうすればいいんですか?」電話を掛けてきた市民によると、「地震発生で台湾電力(台電)第2原子力発電所(同市万里区)から放射性物質が漏れたので、外出しないで下さい」という、市政府からの電話の音声メッセージを受け取ったという。
新北市政府は、そんな話は寝耳に水で驚いた。早速、行政院原子能委員会(原能会)や台電に連絡し、事実関係を確認したところ、第2原発の運転は正常で全く問題がないことが判明した。
新北市災害対策センターによると、もし放射性物質が漏れた場合は、原能会が災害エリアの市民に指示を出し、市政府も民政ラジオ放送やパトロールカーを使って通知することになっている。同時にテレビやラジオなどでも緊急ニュースが流される。
市政府は、市民による悪質なデマかと疑ったが、結局何でもなかったことに胸を撫で下ろした。が、放射性物質漏れの疑いを掛けられた台電は収まらない。新北市政府の名をかたったこのメッセージの発信者を、何としてでも探し出し、法的責任を追及すると息巻いた。
そんな中、夕方になって突然、中華電信が謝罪を発表した。中華電信によると、この日午前8時過ぎ、コンピューターシステムの定期メンテナンステストをしていたエンジニアが、原発の放射能漏れを通知する音声メッセージを誤って送信してしまったという。
新北市政府は今年5月、災害緊急通知システムを使う防災訓練を実施。中華電信が独自に開発したこのシステムは、あらかじめ設定したエリアの住民に音声メッセージを送信できるもので、今回「被害」を受けたのは、同市三重区の3,300人余りだった。
まぬけなミスで多くの市民が肝を冷やしたが、過失であれば犯罪にはならない。とはいえ、この誤報によって市民が損失を被った場合は、中華電信に対して損害賠償を要求できるという。
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