ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

日台航空自由化、台湾各社が路線拡充へ


ニュース 運輸 作成日:2011年11月11日_記事番号:T00033712

日台航空自由化、台湾各社が路線拡充へ

 日台間の航空自由化(オープンスカイ)協定に10日署名が行われ、双方の航空会社が、成田、羽田発着便を除いて路線や便数を自由に決められるようになった。これを受けて中華航空(チャイナエアライン)が既存路線の増便や新規路線の開設を検討しているほか、復興航空(トランスアジア・エアウェイズ)も大阪、札幌などへの定期便就航を計画している。日本と台湾を結ぶ航空路線網はさらなる充実が期待できる。11日付工商時報などが報じた。


台北・松山空港に着陸する長栄航空(エバー航空)機。路線拡充により、日台間の人の往来は、将来年間延べ300万人に達するとの予測もある(中央社)

 交流協会台北事務所によると、成田と羽田の発着便は、2013年夏に予定される成田空港の発着枠が年間延べ27万回に拡大した際に自由化を実現する。一方、関西、中部、その他の地方空港は即時自由化の対象となる。

 今回の日台間の航空協定改定ではこのほか、成田路線で台湾の航空会社が旅客便を週2便、貨物便を週3便を増便することが認められた。また、羽田空港の深夜早朝時間帯枠を利用し、松山空港以外を目的地とする週7便の就航も双方の航空会社に認められた。

 チャーター便も就航企業数規制が撤廃され、旅客便、貨物便とも企業数、便数に制限が設けられないこととなった。台湾側には、日本の首都圏以外の空港を経由して第三地に向かう以遠権で制限が設けられないことも決められた。

 交流協会は航空協定改定について「日台間の航空路線の柔軟な運用が可能となり、双方の地方交流、観光交流、ビジネス交流などが一層促進される。東日本大震災以降減少している台湾からの訪日観光客の回復も期待できる」と意義を説明した。

日系大手2社は静観

 今後日台双方の航空会社による既存路線の増便、新規路線の開設が期待されるが、日本航空はワイズニュースの取材に対し「今後アジアの需要は伸びる見通しが大きく検討の余地があるが、格安航空会社(LCC)の参入など環境の変化を見つつ考えたい」とコメントした。全日空は「現時点で計画はない」と回答した。

鹿児島・静岡就航に意欲

 11日付中国時報によると、中華航空は張家祝董事長が、東京、大阪、福岡、名古屋の大都市路線の増便、高雄〜大阪の定期便への格上げを行うと語った。また、来年第1四半期に鹿児島、静岡と新規路線を開設すると表明した。

 復興航空は大阪、札幌、福岡、名古屋、那覇の5都市への定期便就航を申請する計画だ。同社は現在、日本各地にチャーター便を就航させており、将来は定期便とチャーター便を組み合わせて最適のサービスを提供したいとしている。

 遠東航空(ファーイースタン・エア・トランスポート)も、来年1月の富山へのチャーター便就航後に日本への定期便就航を検討する構えだ。

 日台間の旅客・貨物定期便は現在、双方の5社が14空港(日本11空港、台湾3空港)の間で週270.5便を運航している。台湾各社の路線網拡大により、将来的に日台間の航空料金は少なくとも1割以上下落すると旅行会社はみている。