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HTCスマホで命拾い、遭難社員が7日ぶり生還


ニュース 社会 作成日:2011年11月14日_記事番号:T00033716

HTCスマホで命拾い、遭難社員が7日ぶり生還

 太魯閣国家公園に位置する南湖大山(標高3,742メートル)で遭難したエンジニア、康吉成さん(33)が11日、行方不明となってから7日ぶりに奇跡の生還を果たした。康さんはスマートフォン大手の宏達国際電子(HTC)のエンジニア。自社製スマートフォンのGPS(全地球測位システム)機能で自分の位置を確認したことが、迅速な救助の決め手になった。

 康さんは、HTCには半年前に転職したばかりで、無線システムのソフト部門で研究開発に従事していた。HTCはエンジニアに自社製スマホを支給しており、康さんもこれを使用していた。

 登山好きの康さんは今月2日、登山ガイドとともに「台湾五岳」の一つ、南湖大山に上った。7日に下山する予定だったが、下山途中の5日、康さんは足を滑らせて標高2,660メートルの崖下へ転落。幸い軽傷を負っただけで、すぐにスマホのGPS機能を使って自分の現在地を確認し、消防局に通報した。

 HTCのスマホは、グーグルのアンドロイドOSを搭載しており、GPSシステムの誤差は20~30メートルの範囲内と非常に精度が高い。消防局が康さんの位置を確認できたことが幸いし、6日にはヘリコプターの捜索で康さんを見つけることができた。

 ところが、険しすぎる地形や大雨や濃霧といった悪天候が災いし、康さんの救出は困難を極めた。電源が切れた康さんとはすでに連絡が途絶えてしまっていた。結局、救助隊員が切り立ったがけを這って、康さんと接触できたのは11日正午のこと。救助隊員の姿を見た康さんは「救世主が現れた!」と叫んだという。

 遭難当時、康さんが持っていた食糧は、リンゴ1個、香積飯(水で作れる携帯用飯)7包、ひき肉の缶詰2缶、白米600グラム、キャンディ数個など計2日分。救出2日前に食糧は尽きていたというから、救出にさらに時間がかかっていたら危なかったかもしれなかった。

 なお、救助にかかった費用総額は230万台湾元以上。41人の救助隊員を含む延べ300人余りが出動した。