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歴史的建造物の保全、女子学生がヌードで訴え


ニュース 社会 作成日:2011年11月21日_記事番号:T00033854

歴史的建造物の保全、女子学生がヌードで訴え

 全裸ヌードで古跡保護を各界に訴えた女子学生が話題になっている。国立高雄師範大学の大学院、跨領域芸術研究所(Interdisciplinary Art)に学ぶ徐敏思さん(26)だ。彼女は20日に発表した『もしそれが一人の人間だったら』と題するパフォーマンスアートで、荒廃する高雄市内の歴史的建造物「逍遥園」の保護を訴えた。


徐さんは、心理的な葛藤に打ち勝ちやり遂げられ、パフォーマンスの出来は70点と自己評価(20日=中央社)

 徐さんのパフォーマンスは、自分を逍遥園に例える擬人法を使ったもの。逍遥園の保護を訴える疏文(古代大臣が皇帝に上奏した文書)を40数枚の黄色の細長い紙に記し、自らの裸体をこの紙で覆って登場。居合わせた学生たちに、この黄色い紙を身体から1枚ずつひきはがしてもらい、最後には徐さんの全裸がむき出しになる。これは、逍遥園の瓦が1枚ずつはがれ落ちる様子を象徴しているという。

 パフォーマンスに対しては「アートの世界ではヌードはありきたりで、別に驚かない」「勇気ある行動だ」「何のために脱ぐのかが重要だ」などさまざまな意見が寄せられた。

 徐さんは、成功大学文学系を卒業後、英国へ留学してアートを学び、2年前に大学院に進学。これまで何度も古跡保存の活動に参加しており、このパフォーマンスアートの構想は6月から練っていたという。ヌードを決定したのは、わずか1週間前のことで、事前に家族に言う勇気はなかったが、保守的な両親も話せば分かってくれると思う、とコメントした。

 逍遥園は1939年に建てられた、浄土真宗本願寺派第22世法主、大谷光瑞(1876〜1948年、大正天皇のいとこ)の別荘だった。大理石や台湾ヒノキなどを使い、精緻に造られた2階建ての和洋混合式建築で、戦後は国防部が管理。陸軍家族の宿舎として使われていたが、今では住む人もなく放置され、荒れるがままの状態で、周囲の村は年末には取り壊される予定だという。

 高雄市が10年1月に歴史建築に指定していることから、国防部は高雄市に買い取りを要請しているというが、両者の間でもめているようだ。陳菊・高雄市長は徐さんのパフォーマンスアートに賛同を示しており、「国防部は文化資産の保護に対してずっと消極的で、本当に我慢ならない」と国防部を批判している。これで歴史建築が救われるなら、徐さんのヌードも非常に価値があるといえるだろう。