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来年Q1のPC出荷、前年比2割減も


ニュース 電子 作成日:2011年11月21日_記事番号:T00033879

来年Q1のPC出荷、前年比2割減も

 来年第1四半期の世界のパソコン出荷台数は前年同期比で1~2割減少するとの見通しがアナリストから示された。業界関係者によると、来年1月下旬の春節(旧正月)に向け受託メーカーが今年12月に出荷を始めることに加え、タイ大洪水の影響によるハードディスク駆動装置(HDD)供給不足が来年1月に深刻化すると予想されるためだ。21日付工商時報が報じた。

 HDD世界最大手、米シーゲイト・テクノロジーは、第4四半期の世界HDD供給量は、タイ洪水でHDDのサプライチェーンが切断されたことで、当初予想の1億8,000万台を3割以上下回ると見通しを改めた。PC大手メーカーのHDD在庫は、川上と川下を合わせて2カ月分余りで、12月下旬には底が見え始める恐れがある。

薄利機種は後回し

 こうした状況の下、PCブランドメーカーは、粗利益率の高いハイエンド機種に優先的にHDDを回している。受託メーカー、英業達(インベンテック)の李詩欽董事長は、個人向けノートPCに比べ、法人向けはHDD不足の打撃が小さいと指摘。また来年2月にはHDD供給が正常化する可能性があると楽観している。

 一方、単価が低く、粗利益率も低い低価格ノートPC(ネットブック)は来年第1四半期の出荷量が激減しそうだ。マザーボード(MB)、デスクトップPCも3.5インチHDDが大量に不足しているため打撃を受ける見通しだ。これにより、マザーボード大手、華碩電脳(ASUS)、技嘉科技(ギガバイト・テクノロジー)、華擎科技(アスロック)、微星科技(MSI)は第1四半期業績に影響が出そうだ。

 HDD不足の波紋は、その他のPC部品メーカーにも広がる。DRAM、放熱モジュール、コネクター、バッテリーなどのメーカーは来年第1四半期を慎重視している。ある業者は、出荷量が減るだけでなく、需要減で、PC受託メーカーから値下げを迫られると懸念を示した。

前倒し出荷で人件費削減

 このほか、年によっては2月に訪れる春節が来年は1月下旬に到来することも、PC出荷減が見込まれる要因だ。部品メーカーによると、例年、帰省したがる中国工場の従業員を引き止めて労働力を確保するため、春節期間は2~3倍の休日出勤手当を支給している。一方、今年は年末需要の不振と早い春節のため、受託メーカーは人件費を抑える目的で、来年1月の受注分を今年12月から出荷し始めるという。仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)や広達電脳(クアンタ・コンピュータ)などが、PC筐体(きょうたい)、インモールド成形(IMD)などのメーカーに既に早期納品を要請したようだ。

【表】