ニュース 商業・サービス 作成日:2011年11月22日_記事番号:T00033906
太平洋崇光百貨(太平洋そごう)の周年慶(創業祭)セールが21日終了した。今年の売上総額は85億台湾元(約217億円)で、前年比2%増となったものの、目標の89億元には届かなかった。目標未達は近年では久々だという。景気悪化で大口受注がなかったこと、およびユニクロなどに押され服飾品が振るわなかったことが原因だ。22日付聯合報が報じた。
そごうの創業祭では、徐旭東・遠東集団董事長も自ら売り場を訪れて、従業員に牛肉麺を振舞いねぎらった(中央社)
今年は欧州各国の債務危機など世界的不景気を受けて、台湾でもハイテク業界で無給休暇の実施に踏み切る企業が増えている。李光栄・太平洋そごう総経理は目標未達について「雨の日が多かったせいもあるが、不景気の影響を受けた」と率直に語った。
未達の決定的要因となったのは、大口の買い物が消えたことだ。昨年、そごう復興館(台北市大安区)では3口、計8,000万元の宝飾品の受注があったが、今年はなかった。李総経理は「最高クラスの消費者が買うかどうかを検討する期間が長くなっている」と説明した。
業界最大手、新光三越百貨は現段階で前年比3%増の業績を維持しているが、目標未達の店舗もあり、特に台北市内の大型店が最も苦しい。遠東百貨(ファーイースタン・デパートメントストアズ)は全店舗の合計ではわずかに成長を保っているものの、業績全体に占める割合の高い板橋店、桃園店は目標に届いていない。単一店舗の百貨店は、高級ブランドの強みを持つ微風広場(ブリーズセンター)と台北101購物中心が小幅な成長となった以外、多くが業績目標を達成できていない。
カジュアルブランドに押される
今年の創業祭セールでは、化粧品、家電製品、飲食、スーパーマーケットの各部門では小幅な成長を達成できたものの、「服飾品が最も苦しい」というのが各社共通の感想で、特にジーンズ売れ行きがさっぱりだという。
これは、昨年台北に進出したユニクロが店舗網を7店まで拡大し、スペインのカジュアルファッションブランド「ZARA(ザラ)」も今月台北101に進出、カジュアル服のネットショップ「Lativ」も人気を呼ぶなど、これら新興勢力の前に防戦を強いられているためだ。李・太平洋そごう総経理は、「日本で5年前に起きた、百貨店がカジュアルファッションに侵食された現象が、今台湾で起きている」と指摘した。
ある百貨店業者は「来年第1四半期はもっと苦しくなる」と打ち明ける。来年は春節(旧正月)が1月下旬と早く到来すること、また総統・立法委員選挙が1月14日あって、消費意欲に影響するとみているためだ。クリスマスから春節までの期間が短いため、中高価格帯の服飾品は早めに5割引まで値を下げて販売促進に取り組む構えだ。
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