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『海角七号』の「国宝おじさん」、林宗仁さん死去


ニュース 社会 作成日:2011年11月29日_記事番号:T00034024

『海角七号』の「国宝おじさん」、林宗仁さん死去

 2008年に台湾映画界空前の大ヒット作となった『海角七号』(邦題・海角七号 君想う、国境の南)に、バンドの月琴奏者「茂伯(茂おじさん)」役で出演して、流行語にもなった「私は国宝だ」のせりふなど、コミカルな演技で人気を集めた戯曲演奏家の林宗仁さんが28日死去した。64歳だった。死因は心筋梗塞とみられる。


在りし日の林宗仁さん。ケーブルテレビ局公共電視は、林さんを追悼するため出演作品シリーズの放映を決めた(中央社)

 林さんは、日頃ごろから趣味のゴルフを楽しむなど、元気な様子だったが、28日午後に自宅の浴室で倒れ、新北市内の公立病院に運ばれたが死亡が確認された。心筋梗塞は速やかな処置が求められるが、発見がやや遅れたことが悔やまれる。

 林さんは幼いころから台湾・福建地域の伝統音楽「北管」を志し、月琴奏者として知られ、新北市板橋区の北管楽団「潮和社」の責任者を務めていた。勤務していた貿易会社を退職した後、ゴルフなどを楽しむ生活を送っていたが、『海角七号』に「茂伯」役で出演したことで台湾では知らない人はいないほどの人気者となり、永慶房屋、中華電信などの広告にも出演したほか、2008年には台湾のアカデミー賞と言われる「金馬奨」の最優秀新人賞に最高齢でノミネートされ話題になった。

 最後の出演作となった映画「恋夏38度」では、金門島でコーリャン酒を作る職人を演じ、出演部分の70%を撮り終え、12月にはアモイでのロケも控えていた。

 『海角七号』で共演し、台湾で活躍する日本人女優、田中千絵さんは「林さんはいつも私に体に注意するようにと気遣ってくれた。海外での女性の一人暮らしを気にかけてくれていた」と涙ながらに話した。

 同作品の魏徳聖監督は「茂伯は運動を好み、いつも元気そうだった。信じられない」と語った。また、主人公「阿嘉」役を務めた范逸臣さんは「天国で理想のバンドを組むことを願っているよ。あなたは永遠にこの時代の台湾人の心の中にいる」とフェイスブックに書きこんで才人の早すぎる死を悼んだ。