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アジアシリーズ閉幕、初の台湾開催は及第点


ニュース 社会 作成日:2011年11月30日_記事番号:T00034052

アジアシリーズ閉幕、初の台湾開催は及第点

 プロ野球のアジアナンバーワンを決めるアジアシリーズは29日、韓国のサムスンライオンズが5対3で福岡ソフトバンクホークスを破り、韓国勢初の優勝を決めて幕を閉じた。決勝戦の観客は4,328人で、地元台湾の統一セブン-イレブン・ライオンズが予選で敗れたため、過去5回の決勝戦で最も少なく熱戦の割に寂しさも漂った。台湾が初めて主催した今大会は果たして成功だったと言えるのだろうか?


一軍半の陣容で日本勢で初めて優勝を逃したソフトバンクには、「残念」との声も少なくない(29日=中央社)

 「うまく開催できた」と語るのは、中華民国籍を持ち台湾では英雄扱いされているソフトバンクの王貞治会長。2年の中断を経て再開できた意義は大きく、日本で初開催した当時と比べて台湾の運営は遜色(そんしょく)がなかったとした。また、アジアシリーズの将来について「ファンと選手の関心が高まり、必ずアジアで最も重要な大会になる」と楽観的な見方も示した。

 ただ、スポーツの国際大会の盛り上がりには、地元チームの活躍が欠かせないもの。統一ライオンズの予選敗退に王会長は、「台湾の選手は優勝を争う気力が欠けていた」と率直に指摘した。ソフトバンクの秋山監督も「台湾の選手たちは心構えと野球に対するモチベーションを高める必要がある」という厳しい見方だ。守備と打撃すべてが粗いことは積年の課題だが、大きく改善する気配は一向にない。このため、「台湾の中だけで野球をやっていては日韓との差がますます開いてしまう。来年も台湾で主催すべきだ」との声もスポーツメディアから上がっている。

 ちなみに予選・決勝7試合の観客動員数は5万7,088人で、東京で開催された2008年の5万5,073人を上回ったとか。入場料収入は約3,000万台湾元で、赤字を予想以下の1,000万元以下に抑えることができたという。

 来年のアジアシリーズは、韓国が主催意欲を示している。今回出場した日本、台湾、韓国、オーストラリアに、中国と主催国のもう1チームを加えて6チームで優勝を争う形にして入場者を増やそうという構想だが、韓国は11月に既に気候が寒くなっていることが問題なようだ。次期開催地は12月に開かれる各国のプロ野球連盟の会議で決まる。

 今大会にソフトバンクは杉内投手や小久保選手ら、またサムスンも一部の主力選手を欠いて臨んだ。アジアシリーズの価値を高めていくためには、こうした点も改善が望まれる。