ニュース 石油・化学 作成日:2011年11月30日_記事番号:T00034079
石油化学2大手の台塑集団(台湾プラスチックグループ)および台湾中油のトップから29日、来年の業界景気を悲観する見方が相次いで示された。台プラの王文淵総裁は「来年の(景気の春を知らせる)ツバメの姿は見えない」と発言。中油の朱少華董事長も「川下の発注量からみて、第4四半期はだめで来年第1四半期も光が見えない。第2四半期にツバメが来るかどうかは欧州債務問題と中国のインフレ状況による」と語っており、来年見通しに危機感を強めている。30日付蘋果日報などが報じた。
台プラ総裁、下半期の低迷見通す
石化業界が好調だった今年6月、王文淵台プラ総裁は「中国の金融引き締め政策を受けて需要が激減し、台湾石化製品の輸出は深刻なダメージを受ける」と指摘し、下半期における業界景気の急転直下を予測した。当時、業界では「悲観的すぎる」との反応が上がったが、予測が正確だったと証明された現在、今回王総裁が来年の景気に悲観見通しを示したことに大きな注目が集まっている。
王総裁は石化業界の景気に影響を及ぼす要因として「2つの観察ポイントがある」と語り、一つは中国の内需で、これは中国政府が緊縮政策を緩和させるか否かにかかわると指摘。さらにもう一つのポイントとして中国の輸出を挙げ、これにより欧州債務問題や米国経済の回復状況を知ることができるとした。
その上で「この2点は現在いずれも良くない状態にあり、来年上半期の石化景気に影響が及ぶ」と指摘。ただ「中国が何らかの振興策を打ち出せば変化が起きる可能性もある」と付け加えた。
原油価格、需要低下で下落
一方、中油の朱董事長も「第4四半期は本来は需要期に当たるが、川下の発注を待っていられないほど低調だ」として年次保守の前倒し実施を決めたと語った。また、来年の国際原油価格については、世界で経済成長が鈍化する中、原油需要の低下により上昇は難しく、下落する可能性が高い」として、北海ブレント原油は100ドル前後で推移するとの見方を示した。
また台プラ主管によると、今年10月、石化製品価格は上昇しなかったものの、出荷量も増加しなかったという。ただ、一部で在庫積み増し受注があったため、11月から中国市場の需要が高まるとの期待感があった。さらに最近も、中国が金融引き締め政策を緩和し、需要が発生するとの期待が高まっている。
しかし台プラ主管は、現段階で発注意欲は強まっておらず、依然世界経済の低迷に影響を受けている状態で、大部分の製品価格は下落が続いていると指摘した。
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