ニュース 社会 作成日:2011年12月1日_記事番号:T00034082
「前へ一歩、後ろへ一歩!はい、ターン!」──台北市天母の、とあるクラブのダンスホールでコーチが練習生を厳しく指導する声が響く。よく見ると練習生は皆40歳を過ぎた中年男性。中には70歳近いと思われる人もいる。手と足を出すタイミングがバラバラで、なかなかうまく踊れないようだ。実は彼ら、「ホスト」になるという夢を抱えて一心不乱に練習しているのだった。
とあるグループが最近、「中年男性求む」との新聞広告を掲載し、ホストを募集。月3万5,000台湾元からと高給なわりに、ルックス、スタイルを問わないとあって、「詐欺グループではないか?」との投書が蘋果日報に舞い込んだ。
早速同紙の記者が、広告に記載された住所に赴いて面接を受け、潜入取材を開始。そこでグループの幹部から聞かされたのは、クラブの客は寂しいセレブ女性、キャリアウーマンなどでとても繁盛しているという話だった。
しかし「ホスト養成コース」を受講3日目に、スーツを2着、3万6,000元で購入するよう要求された。記者がスーツは自分で用意すると主張したところ「上司の言うことが聞けないのか!」と声を荒げ、それでも拒否すると「もう来なくていい」とクビになった。
別の記者が近くに張り込んで観察したところ、1日に約20人が面接に訪れており、そのうち約2割がスーツを買わされていたという。週に5日営業していたことから、「ホストの卵」へのスーツ販売で月に約300万元の収入を得ていることになる。ちなみにこのスーツ、実際は1着4,000元程度の品だという。
また張り込みの結果、セレブ女性やキャリアウーマンらしき女性客の来店は全くなかったというから、詐欺とみて間違いなさそうだ。
実際に別の女性記者が客として同クラブに潜入したところ、客は全くいなかった。ホストたちは仕事に失敗した元会社員や経営者で、「一発逆転」を狙ってホストに身を転じていた。「詐欺で内装にこんなに金をかけるか?」「50店舗も展開している」などというグループの説明を完全に信じ切っていたようだが、夢から醒めたとき、彼らにはどんな現実が待っているのだろうか。
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