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奇美電の廖錦祥董事長辞任、背景めぐり憶測


ニュース 電子 作成日:2011年12月5日_記事番号:T00034161

奇美電の廖錦祥董事長辞任、背景めぐり憶測

 液晶パネル大手、奇美電子(チーメイ・イノルックス)の廖錦祥董事長、段行建副董事長が2日、辞任した。段氏は董事、執行長(CEO)の地位にはとどまる。廖氏は筆頭株主、奇美実業系の幹部で、同氏の辞任については、2位株主の鴻海科技集団(フォックスコン)が経営権を握る前触れではないかとの観測が出ている。5日付経済日報などが伝えた。

 2人の辞任について、奇美電の広報担当者は、奇美実業は来週にも董事会で奇美電に派遣する役員の変更を決め、それを受け、奇美電側が臨時の董事会で、後任の董事長を選ぶことになると説明した。

 廖董事長は辞任理由について、「最近数カ月で2度も入院し、体力や気力が衰えた」と健康上の理由を挙げたが、理由はほかにあるとの見方が専らだ。

 業界では、後任の董事長が奇美実業が派遣する董事ではなく、鴻海から選ばれるのではないかとの観測があるほか、段氏が董事長と執行長を兼任するのではないかとの見方も出ている。

 奇美電と鴻海集団傘下の群創光電(イノルックス・ディスプレイ)、および統一企業集団(ユニプレジデント)傘下の中小型パネルメーカー、統宝光電(トポリー・オプトエレクトロニクス)の3社合併から2年近くが経過する中、奇美実業と鴻海は水面下で激しく経営権を争っているとされ、合併効果が十分に表れているとは言い難い。

 5日付電子時報は「今回の幹部人事で、人事権と経営権が一本化されれば、内部での消耗が減り、奇美電の発展にはプラスになる」と分析した。