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サンポとTCL、中台家電大手が全面提携


ニュース 家電 作成日:2011年12月6日_記事番号:T00034191

サンポとTCL、中台家電大手が全面提携

 家電大手の声宝(サンポ)は中国の同業大手、TCL集団と、双方の市場での製品販売協力など、提携関係を全面的に格上げすることで合意した。陳盛沺サンポグループ総裁は、中国・広州で白物家電の合弁工場設置を検討するほか、共同での研究開発(R&D)や、資本提携を行う可能性もあると説明した。中台の家電メーカーによる大型戦略提携は、海峡両岸経済協力枠組み協議(ECFA)締結以降で初となる。6日付工商時報が報じた。

 サンポは傘下の瑞智精密が2001年にTCLと合弁で広東省恵州市に空調用コンプレッサー工場を立ち上げており、グループとして提携関係を続けてきた。今回の合意に基づき、サンポは来年1月よりTCLの液晶テレビを、台湾各地600カ所の販売拠点で売り出す。同製品はサンポがTCLから液晶パネルや半導体チップなど部品の提供を受けて、土城工場(新北市)で組み立てを行う。サンポも今後、同社の白物家電製品をTCLのネットワークを通じて中国市場で販売する計画だ。サンポは将来的にTCLの携帯電話の台湾での販売も検討している。

AUO・サムスンに恩恵

 TCLは従来より液晶パネル、携帯電話用チップなどを台湾メーカーより調達している。液晶パネルについては、投資額245億人民元(約3,000億円)で広州華星光電の8.5世代工場を立ち上げたが、年産能力1,500万枚の生産ラインがすべて稼働するのは12年末になるため、李東生TCL総裁は「来年は液晶テレビ用パネルの少なくとも60%は外部調達が必要になる」と語った。この発言に従えば、台湾の友達光電(AUO)と韓国サムスン電子が最大の受益者になるとみられる。

シャープ白物家電の受託拡大で交渉

 サンポはシャープとも、冷蔵庫、洗濯機、クーラーなどの受託生産拡大に関して交渉を行っている。シャープは超円高を受けて、生産委託の規模を拡大することが課題となっている。サンポの主管によると、早ければ来年より新規分の受注が始まる見通しだ。サンポはシャープ製品の受託拡大に向けて、来年1億〜2億台湾元(約2億6,000万〜5億2,000万円)をかけて林口の白物家電工場で生産設備の全面的な更新を行う予定だ。

 なお、シャープは台湾市場の購買力を有望視しており、同社製液晶テレビの販売台数を2014年段階で5万台と、11年の2万5,000台から倍増させる計画だ。

【表】