ニュース 電子 作成日:2011年12月12日_記事番号:T00034303
ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)の張忠謀董事長は9日、積極的な生産能力増強で追い上げるサムスン電子について、「恐るべき相手だが最後に勝つのはTSMCだ」と述べ、同社との競争に自信を示した。TSMCは9日、中部科学工業園区で12インチウエハー工場「Fab15」の第3期着工式典を開催。2012~13年の稼働と28ナノメートル製造プロセスの強化で、世界シェアは55%まで拡大する可能性があると市場調査会社は予測している。10日付工商時報などが報じた。
TSMCは用地が確保できる限り中科で工場拡張を続けるとの方針を表明した(9日=中央社)
Fab15第3期は、13年8月には20ナノ以降の製造プロセスで量産に入る予定だ。月産能力4万枚。生産するのは▽アプリケーションプロセッサ▽ベースバンドチップ▽グラフィックチップ(GPU)▽中央処理装置(CPU)▽FPGA──など。
Fab15第1期は28ナノで試験生産に入っており来年4月に量産、第2期は来年8月に量産予定だ。これらを合わせたFab15の月産能力は10万枚以上。総投資額3,000億台湾元(約7,700億円)で、年産額60億米ドルを生み出し、就業機会8,000件(主管クラスの専門職4,800件、技術職3,200件)を創出すると見込んでいる。
スマホ・タブレット楽観
一方、ファウンドリー分野で同社の強敵になると目されるサムスンは、来年の設備投資計画を今年の38億米ドルから倍額近い70億米ドルに設定するなど生産能力拡大に注力し、来年末には聯華電子(UMC)を追い抜いて世界2位に浮上するとみられている。
張董事長は、多くの分野で競争を仕掛けてきていると認めつつ、スマートフォンやタブレット型パソコンを新機種に交換する人がいれば、どのブランドだとしてもTSMCに7米ドルの収入をもたらすと同社の高いシェアを強調。これら商品の世界市場規模は過去2年で4~5割成長、来年も3割成長が見込まれるとして同社の優位性を強調した。
デジタイムズ・リサーチの予測によると、TSMCの世界シェアは10年50%、11年53%、12年55%と拡大が続く見通しだ。
金融危機当時より「まし」
張董事長は、世界景気は今後1~2年間は回復しないという11月時点の見方に変わりはないが、現在の半導体景気は金融危機当時の08年ほど悪くないとして「厳冬説」を否定。来年は通常より多少良くなると期待感を示した。
TSMCが9日発表した11月連結売上高は前月比4.7%減、前年同月比2.7%減の358億5,900万台湾元(約920億円)で、予想されていた水準の結果となった。1~11月累計は前年同期比2.9%増の3,958億3,800万元。同社は先日、第4四半期連結売上高を前期比1~3%減の1,030億~1,050億元と予測しており、12月は295億3,000万~315億3,000万元へと前月比で減少する見通しだ。
【表】
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722