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寄付金不足を石碑で公表、信徒がお寺に抗議


ニュース 社会 作成日:2011年12月13日_記事番号:T00034306

寄付金不足を石碑で公表、信徒がお寺に抗議

 廟(びょう)を建て替える際、熱心な信徒が寄付するのはよくある話。ところが、信徒に対してあらかじめ寄付金の額を指定し、実際の寄付金がその額に満たなかった場合、石碑に不足額が分かるように刻んで公表したとんでもない廟がある。

 台南市安定区にある「福安宮」は14年前の建て替えの際、信徒会議を開き、世帯人員と所有する田畑の面積に応じ、世帯ごとに寄付金の額を決定した。その結果、300人余りの信徒から4,000万台湾元近くの寄付金が集まった。

 寄付をした信徒の姓名と金額を石碑に刻んだところまでは他の廟と同じだったが、福安宮ではさらに、あらかじめ指定した金額を寄付しなかった信徒40人は姓名、寄付金額だけでなく、ご丁寧にも「寄付すべきだった金額」まで刻銘した。

 まるで廟に借金があるかのようなこの表記に、激怒したのが王国華さん(58)だった。長年、中国で商売をしていた王さんが、退職して故郷の台南に戻ったのはつい最近のこと。地元の福安宮にお参りしたところ、この石碑が目に飛び込んだのだ。

 自分の名前の下に、「10万元寄付すべきところ5万元を寄付」と刻まれているのを見つけた王さんは、福安宮に対して石碑の撤廃と寄付金の返金を求め、応じなければ公然侮辱罪で訴えると抗議した。

 これに対し福安宮は困惑を隠せなかった。というのも、後から「不足分」を補った場合は石碑を修正しており、これまでずっとこのやり方で異議を唱える人は誰もいなかったからだ。

 福安宮は、王さん以外にも2人の信徒からも同様の抗議を受けたことから、委員会を開いて善後策を協議するとか。ただ、経費がかかることなので、石碑をすぐに作り直すのは難しいという。

 確かに、寄付金は信徒の自由意思によるもので、その金額を廟が決めるのはおかしい。弁護士によると、信徒がその金額を寄付すると承諾したことが証明できない限り、福安宮のやり方は公然侮辱罪に当たるという。