ニュース 電子 作成日:2011年12月19日_記事番号:T00034438
TFT−LCD(薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ)に代わる次世代のディスプレイ技術との見方が強まっているアクティブマトリックス式有機EL(AMOLED)パネルについて経済部は、同技術をリードするサムスン・モバイル・ディスプレイ(SMD)追撃のため、日台液晶パネル業者の戦略提携を促している。台湾メーカーの生産設備、量産能力と日本メーカーの特許、材料供給能力を結び付け、競争力強化を図りたい考えだ。19日付電子時報などが報じた。
サムスンのスマートフォン・タブレットPCの人気は、美しいAMOLEDディスプレイが理由の一つであることは疑いない(サムスンリリースより)
AMOLEDパネルは現在、スマートフォンやタブレット型パソコンへの搭載が活発に進められており、業界では「いつTFT−LCDパネルに代わり主流となるかは依然、観察が必要」との認識が強いものの、間もなく飛躍的に普及が進むことは間違いないとの見方で一致している。
現時点でAMOLEDパネルは、技術、歩留まり、数量ともSMDが業界他社を大きくリードしており、来年には55インチのテレビ向け製品を市場に投入すると予測されている。また、同社はこのほど579億ウォン(約39億円)を投じて韓国の製造装置メーカー、SNUプレシジョンから有機EL(OLED)製造装置を調達、さらに294億ウォンでSNU社の株式を取得するなど、同分野への強い野心をうかがわせている。さらに韓国ではLGディスプレイ(LGD)も大型製品の量産を急いでおり、SMDを追いかけている。
一方、台湾メーカーも友達光電(AUO)と奇美電子(チーメイ・イノルックス)が来年AMOLEDパネルを発売する可能性が高いが、依然中小型製品が中心となる見込みだ。こうした中、AMOLEDパネルのサプライチェーン構築が急務となっており、経済部主導の下でAUOに宏達国際電子(HTC)、宏碁(エイサー)、華碩電脳(ASUS)など川下ブランドを加えた「AMOLED研発聯盟」が結成された。AUOが生産したパネル製品をHTCなどが調達する体制の構築を目指す。
さらに、シャープ、ソニー、東芝などの日本メーカーもAMOLED技術の発展に強い関心を寄せていることを見た台湾政府は、最近注力する日台企業の提携促進策の中で同技術を重点項目の一つに含めている。現在、AMOLEDパネル市場では供給が需要に追いついていない状況の下、日台提携がうまく行けば韓国勢の独走を阻止し、台湾メーカーがシェア拡大を図る大きなチャンスになるとの考えだ。
ウィンテックがAMOLED参入へ
なおタッチパネル大手、勝華科技(ウィンテック)の黄顕雄董事長はこのほど、AMOLEDディスプレイ時代の到来を控え、南部科学工業園区(南科)高雄園区(高雄市路竹区)に計画していた4.5世代TFT−LCDパネル工場設置計画を4世代OLEDパネル工場に変更すると表明した。提携する中国の中小型パネル最大手、上海天馬微電子がアモイ翔安工業区で着工した5.5世代工場(来年完成予定)で生産した低温ポリシリコン(LTPS)に自社で生産したOLEDパネルを組み合わせ、2014年にもAMOLEDパネル市場に参入したい考えだ。
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