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まるで獄中、高校の教室に監視モニター


ニュース 社会 作成日:2011年12月20日_記事番号:T00034440

まるで獄中、高校の教室に監視モニター

 「わたしたちの高校はまるで監獄。生徒は犯罪者扱いよ」――台北市私立立人高級中学の生徒はこう訴える。6階建ての校舎には、教室だけでなく、廊下や階段など至る所に監視モニターが設置されているからだ。

 一歩教室に入れば、教室前方に監視モニターと小型マイクが、黒板のそばにはインターホンが設置されている。モニターは授業中の生徒の一挙手一投足を監視しており、職員室では校長や教師がいつでも教室内の様子を知ることができる仕組みだ。録画された映像の保存期間は7日間。

 モニターで授業中に居眠りやおしゃべりをしている姿が見つかった場合、監視していた教師がインターホンを通じ、態度の悪い生徒に注意する。放課後、職員室に呼び出すことも。

 また、生徒の保護者は同校のインターネットサイトでパスワードを入力すれば、自宅に居ながらにして、授業中のわが子の様子を見ることができる。

 張義勇校長は、この監視システムは保護者から支持されており、生徒にも事前告知していると強調。校内の安全確保に役立っており、保護者も安心だと話す教師も多い。

 しかし、学生は気が休まる暇もない。監視モニターが気になってかえって授業に集中できない、休み時間にちょっと騒いでいただけでインターホンを通じて注意を受けるという声も。

 教室に監視モニターを設置している高校は他にもあるが、いずれも盗難やけんかなど何かトラブルが発生した場合だけしか映像を公開しておらず、監視が目的ではない。

 教室は公共の場所で、プライバシーの侵害には当たらないとはいえ、こんな学校で居心地がいいだろうか。生徒から「早く卒業したい」という声が聞かれるのもうなずける。

 なお、呉清基・教育部長は、「監視モニターを使って、生徒が真面目に授業を受けているかを見張るのは教育理念に合わない」との見解。台北市教育局も「教育原理に反したやり方だ」として、立人高中に管理方法の改善を求める方針だという。