ニュース 電子 作成日:2011年12月21日_記事番号:T00034496
日立化成工業(本社・東京新宿区、田中一行社長)は20日、半導体の製造工程で使われる研磨液、CMP(科学的機械研磨)スラリーの生産拠点を台南に設け、2013年4月に生産を開始すると発表した。これにより15年度までにSTI(Shallow Trench Isolation)用CMPスラリーの生産能力を現在より50%増強する。
CMPスラリー(日立化成提供)
CMPは半導体の素子分離工程や回路形成工程で発生した凹凸を研磨、平坦化する技術で、CMPスラリーはこの際に使用される研磨液。日立化成は半導体の素子分離方法の一つであるSTI用および銅配線用を製造しており、STI用では茨城県ひたちなか市の山崎事業所で生産、世界トップのシェアを持っている。
同社は台南での生産に当たり、来年上半期に製造、販売および開発に当たる100%資本の新会社、台湾日立化成電子材料(仮称)を設立する。資本金は15億円で、代表者は今後決定する。従業員数は量産開始時で50人を予定。日立化成広報は、生産能力については明らかにできないと説明した。
顧客メーカー近接にメリット
台南進出は、電子機器の小型化と高性能化に伴い、半導体のデザインルールの微細化に対応した製品の需要が伸びていることを受け、顧客の半導体メーカーの多い地域で生産を行うため。また、今年3月の東日本大震災で山崎事業所が2週間生産停止となったことから、生産拠点を分散するリスク対応も狙いだ。
同社は台湾では高雄市で1970年より配線板の製造を行っているが、半導体関連製品の生産を行うのは初めて。「今後もCMPスラリーをはじめとする半導体材料の競争力向上を図り、市場の伸びを上回る売上高の拡大を図っていきたい」とコメントした。
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