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国巨の蘇州工場、受動部品生産で世界最大に


ニュース 電子 作成日:2007年10月30日_記事番号:T00003451

国巨の蘇州工場、受動部品生産で世界最大に

 
 受動部品最大手の国巨電子(ヤゲオ)は29日、中国蘇州の第2工場の稼働と第2期工程のくわ入れを祝う式典を行った。来年2月の第2期工程完成後、同工場はチップ抵抗器で単月360億個、積層セラミックコンデンサ(MLCC)で110億個の生産能力を誇る世界最大の受動部品の生産拠点となる。陳泰銘同社董事長は式典で、「中国市場の発展戦略は新たな段階に入った」と宣言。新工場稼働によって中国で世界最大の供給チェーンを築くとともに、村田製作所を抜いて業界世界一を目指す。29日付経済日報などが報じた。
 
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くわ入れ式には陳泰銘董事長(右2)、梅正栄蘇州市副市長(右)らが参加した(29日=中央社)

 同社は1996年に中国に進出。華南、華東、華北に生産および販売・サービス拠点を築き、現在、チップ抵抗器のシェアは39%で1位、MLCCでは19%で2位となっている。国巨集団の売上高のうち、中国が占める割合はすでに5割に達しており、今後3~5年で75%へと上昇する見通しだ。

 中国市場は北京五輪に向けた経済成長により、内需拡大が進んでいる。国巨の分析によると来年中国市場ではノートブック型パソコンは成長率40%、携帯電話は20%、液晶テレビは67%と、いずれも大幅に伸び、受動部品の需要もさらなる高まりが期待できる。

 中国市場をさらに強化するため、同社は研究開発(R&D)センターも蘇州に設け、超セラミック材料やハイエンド製造プロセスなどについて研究していく。
 
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3年内に売上500億元を目標

 陳泰銘董事長は業界世界一となる目標について、「時間は我々の味方だ」と語り、楽観視していることを強調した。この理由として、業界の多くの海外大手企業が同社との提携を希望していることを挙げ、「生産拡大、および合併を通じて売上高を今年の200億台湾元(約700億円)から3年以内に500億元へと引き上げる」と高成長路線を進む意気込みを示した。

 蘇州第2工場の第2工程完了後、台湾も合わせた国巨集団全体の月産能力は、チップ抵抗器で440億個(今年比33%増)、MLCCで220億個(同51.7%増)を見込む。また、新たな生産能力は日系メーカー並みの技術の高容量製品が主力となる。

 なお、来年の資本支出は 30億~40億元の予定しており、今年の30億元を上回る。このうち8割を台湾が占める。台湾では技術レベルの高い製品、中国では一般製品と、生産のすみ分けを行っていく。
 
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