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がん化学治療の副作用抑制漢方薬、認可世界初


ニュース 医薬 作成日:2011年12月22日_記事番号:T00034521

がん化学治療の副作用抑制漢方薬、認可世界初

 中天生物科技(マイクロバイオ)が開発した、がんの化学療法で発生する副作用を抑える効果のある新薬「化療漾」が20日、衛生署の薬品許可証を取得した。有機大豆発酵技術を基に開発した同新薬は、がん化学療法の副作用を軽減する漢方薬としては世界初の認可となった。台湾で来年2月に発売されるほか、中国でも保健食品として販売する計画で、中台合わせて2,000億台湾元(約5,100億円)規模の市場で商機獲得を目指す。22日付工商時報などが報じた。

 中天生技によると、同新薬は日本で伝統のある「有機大豆発酵製品」で、同社は技術取得後、14年の年月と10億元の資金を投じて開発を進めた。

 台北栄民総医院などでの第3期臨床試験によると、乳がん、卵巣がん、肺がん、大腸がん、リンパがんなどの患者が化学療法を受ける前、治療中、治療後に1日2度ずつ1回当たり4ccの「化療漾」を服用した場合、倦怠(けんたい)感や食欲不振などの副作用が明らかに軽減されたという。医師によると、副作用の軽減により、患者の社交性や生活品質にも向上が見られた。ただ、大豆にアレルギーのある患者は服用前に医師や薬剤師に相談するよう注意している。

 健保局の統計によると、現在台湾のがん患者数は約40万人で毎年約9万人増加しており、そのほとんどが化学療法を受けている。さらにそのうち約8割が倦怠感、食欲不振、免疫力低下、嘔吐(おうと)、下痢などの副作用に苦しんでいるという。

処方せんなしでも購入可能

 台湾で「化療漾」は、医師の処方せんがなくても購入できる「成薬甲類」として薬局などでも販売され、商機は年間180億元に上るとみられる。中天生技の路孔明董事長は、発売初年度に普及率5〜10%、売上高10億〜20億元を目指すと表明した。

 また中国では、がん患者数が約400万人で毎年約300万人増加しており、商機は1,800億元と推定され、5%の普及率で90億元の売り上げが可能となる。中天生技は現在、現地製薬メーカーと提携について協議を行っている。

 なお同社は中台での商機獲得に向け、桃園県龍潭郷で、10億元を投じて年産100万瓶の工場建設を計画している。

【表】