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釧路寄贈のタンチョウヅル、毒蛇被害に戦々恐々


ニュース 社会 作成日:2011年12月23日_記事番号:T00034526

釧路寄贈のタンチョウヅル、毒蛇被害に戦々恐々

 「えっ、なんでここにペリカンが?ここは、北海道釧路市から寄贈されたタンチョウヅルを飼育している檻(おり)のはず。このペリカンは一体、どこから入って来たんだ?あれ、タンチョウが1羽足りないじゃないか!」

 園内をパトロール中の飼育係の顔色がさっと変わった。ここは台北市立動物園。今年9月、北海道釧路市から寄贈された2羽のタンチョウヅル、ビッグ(オス、9歳)とキカ(メス、6歳)が日台友好のシンボルとして、50坪の専用施設で大切に飼育されている。ビッグは10月末から一般公開され、一躍動物園の人気者だ。

 どうやら見当たらないのは、来年1月に公開を予定しているキカの方らしい。飼育係が薄暗い光の下で目を凝らすと、ペリカンだと思ったのはキカだった。あごの辺りが大きく腫れ上がっていたので、見間違えてしまったのだ。

 「毒蛇にやられたな」ピンときた飼育係は、日本から寄贈された貴重なタンチョウを死なせるわけにはいかないと大慌てで獣医に連絡。獣医は、キカのあごにはヘビにかまれたあとが見当たらないため、スズメバチに刺された可能性もあると指摘した。が、取りあえずキカに毒蛇の血清を打つことに。幸い、キカは今ではすっかりあごの腫れもひき、「ペリカン」から「タンチョウ」の姿に戻った。

 実は、動物園では園内の豊富な食べ物を狙い、周辺の山からヘビなどが侵入することが少なくない。園内の小動物が毒蛇にかまれる事件は、毎年1、2件発生しているが、今年はキツネザルの幼獣が死亡するなど被害が深刻化。キカで今年4件目の被害だった。園長は毒蛇被害の急増について、今年は寒くなるのが遅かったので、冬眠前のヘビがエサを求めて活動する期間が長かったことが原因ではないかと推測している。

 それにしても、パンダやコアラ、ペンギンといった動物園の看板動物が、万一毒蛇に咬まれでもしたら、大騒ぎになるに違いない。