ニュース 電子 作成日:2011年12月27日_記事番号:T00034608
ソニーとサムスン電子がテレビ用液晶パネルの合弁事業の解消を発表したことについて、台湾メディアと電子業界はいずれも「台湾業界にとってメリット」との見方だ。ソニーが今後、液晶パネル調達、および液晶テレビの生産委託で台湾メーカーとの取引をさらに拡大することが期待できるためだ。
27日付経済日報は合弁解消の台湾業界にとっての意義について、「日本と連合、中国と提携、韓国に対抗」という形勢が固まったと指摘。台湾メーカーは、ソニー、シャープ、東芝、パナソニックの日本4大ブランドと、中国テレビメーカー8社より受注を受ける立場になったと説明した。液晶パネルメーカーでは奇美電子(チーメイ・イノルックス)の方が友達光電(AUO)よりも多くの調達を受ける可能性が高く、液晶テレビの組み立てを受注する鴻海科技集団(フォックスコン)、仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)、緯創資通(ウィストロン)にも恩恵が及ぶとした。
ディスプレイサーチの謝勤益副総裁は、ソニーは今後、奇美電、AUOからのパネル調達を拡大するとの見方を示した上で、奇美電は組み立ての鴻海と合わせて、グループとしてサプライチェーンの一体的な効果を得られると説明した。
「AUOと奇美電は協力を」
コンパルの許勝雄董事長も、ソニーとサムスンの提携解消は、台湾勢にとって間違いなくメリットだと述べた。ソニーは今後サムスンへの依存度を低下させ、液晶パネルの調達、液晶テレビの生産委託で台湾メーカーを最大の発注先とする見通しのため、台湾勢はソニーとの協力関係を一層深めて商機を得るべきだと提言した。
許董事長はまた、AUOと奇美電の合併は困難でも、知的財産権の共有などのリソース統合、共同調達、生産ラインの差別化など、ソニーの需要に合致するよう協力すべきとの考えを示した。
サムスンからの調達は継続
ソニーとサムスンは2004年4月、液晶パネルメーカー「S−LCD」を立ち上げ、サムスンが50%と1株、ソニーが残りを出資した。サムスンによると、同社がソニーの持ち株を1兆800億ウォン(約730億円)で買い取り、100%子会社とする。ソニーは売却費用として660億円の支出を余儀なくされるが、今後毎年500億円の支出を抑制できる。
提携解消の原因としては、今年度も1,750億円と、8年度連続で赤字を計上する見通しのソニーの液晶テレビ事業の不振が挙げられる。サムスンに逆転され、その後もリードを広げられる展開となっており、ソニーが競合との協力関係はこれ以上継続できないと考えたためと観測されている。なお、ソニーは今後もサムスンより市場よりも安い価格で液晶パネルを調達する意向だ。
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