ニュース 政治 作成日:2012年1月3日_記事番号:T00034643
今月14日に投開票される総統選に向け、4日から世論調査の結果公表が禁止されるのを前に、馬英九(国民党・現職)、蔡英文(民進党)の両候補が土壇場まで接戦を繰り広げていることが複数の世論調査から明らかになった。
宋候補には熱心な支持者も少なくない。国民党は決して批判せず、支持者の感情を盛り上げない戦術をとっている(中央社)
中国時報を中心とする旺旺中時集団が3日発表した最新世論調査によると、「投票したい」と答えた92%の有権者による各総統・副総統候補の支持率は、馬英九・呉敦義ペア(国民党)が39.5%、蔡英文・蘇嘉全ペア(民進党)が36.5%、宋楚瑜・林瑞雄ペア(親民党)が5.8%だった。調査は2日夜に1,104人を対象に行われた。
一方、財団法人の台湾智庫(台湾シンクタンク)が1日に発表した世論調査では、支持率が馬候補38.8%、蔡候補37.8%、宋候補が11.6%とさらに小差だった。
過去に主要メディアの世論調査では、国民党の支持率が過大評価、民進党の支持率が過小評価される傾向があっただけに、選挙戦終盤の世論調査結果を逆に「蔡候補リード」ととらえる声もある。統計的な精度は劣るが、ヤフー奇摩が実施しているインターネット世論調査では、蔡候補が59.5%、馬候補が22.1%、宋候補が17.3%という結果が出ており、少なくともネット慣れした若い層で蔡候補が優位に立つ可能性を示している。
選挙戦を左右するカギはいくつかある。まず、支持候補を明らかにしていない層で馬、蔡両候補のどちらが優位に立つかだ。
台湾の政治風土では、外省人や公務員、政府系企業、軍人らを支持基盤とする国民党と本省人や農民、社会的弱者を支持基盤とする民進党がそれぞれ40%の固定票を持つとされ、残る20%が「中間選民」と呼ばれる浮動層とされた。しかし、社会情勢の変化や高齢化に伴う人口構成の変動で浮動層が増えつつある。世論調査で支持候補を明らかにしない人には、多数の浮動層が含まれており、選挙戦の行方は混とんとしている。
このほか、馬、蔡候補による一騎打ちの裏で、馬候補には批判的な国民党支持層の票が宋候補にどれだけ流れるか、逆に宋候補の当選の見込みがないとみた宋氏支持票が誰に流れるかも選挙結果に微妙な影響を与えそうだ。
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